”差し合い”がカギを握る対戦システム

　『サムライスピリッツ』を唯一無二たらしめる要素と言えば、「武器」を用いた独自の対戦システムだろう。各キャラクターは素手で相手と戦うのではなく、刀や短剣、木槌といった武器を使って攻撃を繰り出す。また攻撃の数々は1発の威力も高いため、たとえ体力差でアドバンテージがあっても1度ダメージを負っただけで窮地に陥ることもしばしば。”差し合い”が中心となるので、対戦中はヒリヒリとした焼け付くような緊張感を伴う。

　中でも注目すべきシステムは、ダメージを負えば負うほど攻撃力がアップする「怒りゲージ」だ。ゲージが貯まるほどに攻撃力が増していき、相手に与えるダメージ量がアップする。そのままゲージ最大まで怒りが蓄積すると、「怒り爆発」状態に移行。相手プレイヤー目掛けて強烈な突進をお見舞いする「一閃」を発動することができる。試合中は攻防の駆け引きに加え、怒りゲージの管理も重要になるだろう。

プレイヤーの分身を作り出す新機能「GHOST」

　『SAMURAI SPIRITS』からの新要素は対戦時のシステムに留まらない。本作より、AIがプレイヤーの行動を学習して分身を作成する新機能「GHOST」が実装された。この分身は試合中におけるプレイヤーの攻撃や防御、移動やジャンプといった各種操作の分析に基づいて作られる。つまり、予め設定済みの行動パターンに沿って動作するわけではなく、普段のプレイヤーそっくりに動きまわって戦う、という仕組みだ。作成した分身はトレーニングで使用できるほか、ネットワークを介して猛者プレイヤーの分身を相手に対戦も行える。対戦格闘ゲーム初心者なら、対人戦に引けを取らない練習相手として上手く活用できそうだ。

　対戦格闘ゲーム『SAMURAI SPIRITS』は、PS4/XboxOne向けに6月27日発売。興味のある方は一度手に取ってみてはどうだろうか。

（トップ画像＝https://www.jp.playstation.com/blog/detail/8464/20190405-samuraispirits.htmlより）

■龍田優貴
ゲームの尻を追いかけまわすフリーライター。時代やテクノロジーと共に移り変わるゲームカルチャーに目が無い好事家。『アプリゲット』『財経新聞』などで執筆。個人的なオールタイムベストゲームは「ファミコン探偵倶楽部」シリーズ。Twitter：@yuki_365bit　　https://twitter.com/yuki_365bit