Netflix「E3」での発表はゲーム業界を変えるか? “ストリーミング”化する市場との相性を読む

Netflixがゲームに参入する真意とは?

 技術の進歩と共にストリーミングに軸足を移してきたが元々、創業時はオンラインDVDレンタルだった。ゲームとは似ても似つかない。

 一方で、ゲームの楽しみ方も近年大きな広がりを見せている。その一つがゲームのストリーミングだ。ゲームは、プレイヤーだけが楽しむモノではなく、それを配信して、多くの人々が視聴するようにもなってきている。これはゲーム界の最新のトレンドの一つと言っていい。

 ゲームのストリーミング、そして映像のストリーミング。ここに元来、無関係だったNetflixとゲームの接点が見いだせるのではないだろうか。ゲームストリーミングは、現在活況を見せており、テクノロジー大手FAANG(Facebook、Apple、Amazon、Netflix、Google)の一角であるGoogleがStadiaを投入し、、ソニーとマイクロソフトが同分野での提携を発表した。これは、ゲームデベロッパーがクラウドで全世界のデータセンターを介してゲームをプレイヤーに配信できるものだ。他にも多くのゲーム関連のストリーミングサービスが乱立しており、春秋戦国の世といった様相だ。

 Netflixは、このトレンドに乗り遅れまいと、今回のタイミングでゲーム業界に新規参入し、そこで存在感を増すことで、ゲームストリーミングに関連する事業領域を拡大させようという意図があるのではないだろうか。

 テクノロジーメディアEngadgetは以前、「ゲームのNetflixになるのはどこか。ストリーミングは、映画やTVを変えたように、ビデオゲーム業界を一変させる」と論じている。

 正式発表を前にして、多くの憶測が飛び交っているが、Netflix の野心的な戦略の全貌が「E3 2019」で明らかになるに違いない。

■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエイティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。

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