PC不要のVRヘッドセット「Oculus Quest」予約開始 高まる期待も進化の余地あり?

まだ進化の余地はある

 Oculus Questに関しては多数の海外メディアがレビュー記事を公開し、そのどれもが高評価を伝えている。エンタメ系メディア『Polygon』のレビュー記事は、同ヘッドセットの内部設計を称賛している。同ヘッドセットの演算処理を司るチップには、Qualcomm製のSnapdragon 835が実装されている。このチップはGoogleが開発した最新スマホGoogle Pixel 2にも実装されているのだが、VRコンテンツのような高負荷なグラフィック処理に対しては性能不足の感が否めない。しかし、同ヘッドセットは高品質のグラフィックを実現していることから、チップに対して洗練された内部設計とチューニングがなされたのだろう、と評している。

 テック系メディア『Ars Technica』は、Oculus Questの重さに言及している。同ヘッドセットは、Oculus Goの重量である470gより重い571gと重くなっている。この重さと頭に固定するストラップがOculus Rift Sより簡素に作られていることから、1時間も利用すると顔に圧迫感を感じることを報告している。このように改善点はあるものも、総評として「真のワイヤレスなVR時代はOculus Questから始まる」とコメントしている。

 また、CNETもOculus Questを絶賛するレビュー記事を公開した。ただし、同ヘッドセットを直射日光のあたる場所で使用することは避けること、とも伝えている。というのも、直射日光下で使うと、トラッキングにわずかなずれが生じるからだ。

 以上のようなOculus Questは、VR市場を再び活気づかせる大きなポテンシャルを秘めている。そして、かりに「VRゲームをプレイし放題」をうたうゲームストリーミングサービスが登場したら、ゲーム市場に大きな地殻変動が起こるかも知れない。

トップ画像出典:YouTube「Game On | Oculus Quest Content Preview」より画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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