PS5の仕様がついに判明! レイトレーシングを採用、ローディング速度は19倍に
ゲーム機業界の覇者として君臨しているPS4の次世代ゲーム機の仕様が、ついに判明した。基本仕様の向上はもちろんのこと、最新の画像処理技術にも対応し、ゲーマーを悩ませてきたあの時間を解消する設計にもなっている。ゲーム機業界の新たな脅威となるあのサービスに対して、盤石の体制で応戦する構えだ。
レイトレーシングとSSDを採用
WIRED日本版は17日、WIREDアメリカ版のPS5に関する独占取材を翻訳した記事を公開した。独占取材は、(正確にはまだ正式名称は発表されていないが)PS5の設計主任に相当するリードアーキテクトを務めるマーク・サーニー氏にインタビューするかたちで進められた。
PS5は、PS4に比べてCPUとGPUの性能が大幅に向上する。その結果、最新の画像処理技術であるレイトレーシングに対応し、音響もより立体的になる。この立体的な音響は、ヘッドフォンを着用してプレイするとその違いが体験できるという。
内蔵ハードディスクは、従来のHDDからSSDに変更される。一般にSSDはHDDよりローディングが早いと言われているが、結局のところ、ローディングはハードウェアの総合的な設計の良し悪しに左右される。PS5はSSDからのローディングが速くなるように設計したので、PS4比で19倍速となると見積もられている。ローディングの速さを実証するために取材中「Marvel’s Spider-Man」をプレイしたところ、画面転換時のローディングがPS4では15秒かかったのに対しPS5だと0.8秒ほどだった、とのこと。
肝心の価格とリリース日については不明だが、少なくとも2019年内のリリースはないと見られている。また、PS4と同様に物理メディアにも対応する。コンテンツに関してもしばらくはPS4とPS5の両方に対応したものがリリースされる見込みであり、PSVRコンテンツもプレイできるようだ。
Stadiaには負けない?
以上のようにPS5はPS4の正統進化版となりそうだが、その一方でゲーム機業界にはパラダイムシフトの起こる機運が高まってきている。どんなゲーム機に対してもハイエンドなゲームを提供することを謳うGoogleが先月発表したStadiaは、既存ゲーム機市場に見られるゲーム機ごとの棲み分けを取り払おうとしている。Microsoftもゲームストリーミングサービス「Project xCloud」を開発中であり、Googleに追随している。こうした市場の動きをふまえて、多数の海外メディアはPS5とStadiaを比較する記事を公開した。
テック系メディア『GeekWire』は、Stadiaは既存ゲーム市場において脅威となっており、進化しているものも「伝統的な」ゲーム機をリリースしようとするソニーはリスクを負うことになる、と評している。しかしながら、ゲーム機市場のおよそ3分の2のシェアを占めている同社が勝利のためにやるべきことは正統進化した選択肢を提供することである、と述べている。
イギリスのダブロイド紙『EXPRESS』電子版は、調査会社Harris Interactiveが行ったゲーマーを対象にした調査結果を報じている。同社は、幅広い年齢層の2,100人のゲーマーに次世代ゲーム機としてどのデバイスの購入を検討するのか、と尋ねた。その結果、38%がPS5と回答し、21%が次世代XBox、そして16%がGoogle Stadiaと回答した。
ビジネスメディア『VentureBeat』は、StadiaとPS5のGPUにはAMD製が使われていることを指摘したうえで、両者を比較している。クラウドサーバ上で画像処理を実行するStadiaは最先端のゲーミングPCには及ばないと考えられる一方で、PS5は相対的に低コストでレイトレーシングを可能とする画像処理技術を提供することになるだろう、と見られている。