高偏差値&抜群の企画力! 異色の理系YouTuber「はなお」とは?
「理系」と「エンタメ」というふたつの要素を融合し、人気を博しているYouTuber・はなお。本稿では、ニッチとも言えるジャンルを開拓し、チャンネル登録者数を伸ばし続ける彼の魅力を解説したい。
はなおは大阪大学基礎工学部、同大学大学院卒。高学歴のイメージを利用&逆手に取り、「理系」ネタを多く盛り込み、ときにそれを自虐的に捉えた動画も投稿しているのが特徴だ。定番の挨拶「おはえりすめんてん」も理系のキーワードが盛り込まれた造語で、「おはよう」と「ミカエリス・メンテン」(ミカエリス・メンテン式と呼ばれる酵素反応の速度に関する式を示す)を組み合わせたシュールな言葉だ。
ネットデビューはニコニコ動画で、「歌ってみた」動画が主戦場だった。「イケボ」と言われる部類で、その美声はいまでも健在だが、大学3回生の2014年11月、人気YouTuber瀬戸康史の動画に感化される形で、YouTubeへの動画投稿を開始。当初は音楽やドッキリなどの定番ネタを多かったが、徐々に「理系」ネタが増えていく。と言っても、年々増加している「予備校YouTube」の類ではなく、あくまでエンタメに理系的な要素を付加し、笑いにつなげるものだ。
はなおが「理系」というイメージを確立させた動画に、今では定番化しつつある東大生企画「東大生の店員に理系風に注文したら、賢すぎて返り討ちにされました。東大理三恐るべし、、、」が挙げられる。例えば、お店で注文するときに「理系的注文」として、「2の0乗個ください(=1個くださいの意)」や「リチウム原子の最外電子殻数個ください(=1個くださいの意)」という、理系知識を試す言い方をする。「東大生ならわかって当然」という、ややいじわるなスタンスで臨み、結果としてサラッと簡単に応えられてしまうのが面白い。理系の知識はなくても、動画の趣旨さえ理解していれば楽しめる動画で、現在は1000万再生を超えている。
その他、はなおの甥っ子であるしょーちゃんに微分の問題を教えてみたり、その声でピザを注文してみたり、あるいは音楽を数学のグラフで表せるという説を検証してみたりと、企画の幅も広い。はなお自身が「新R25」のインタビュー(参考:https://r25.jp/article/640093930574111122)で「特に意識しているのは、視聴者にウケる『強いワード』を入れること。僕の場合だと、『理系』とか『東大』とか」と語っているように、タイトルから気になる動画が多く、それがファンも増やしている要因だろう。