メジャーデビュー前の秘蔵映像も? THE YELLOW MONKEY、結成30周年記念アプリへの期待

 気になるのは一点、ファンクラブとの棲み分けである。再結成以後、THE YELLOW MONKEYオフィシャルファンクラブ『BELIEVER.』が運営されてきた。『BELIEVER.』では、リリースされた楽曲の視聴し放題、ファンクラブ限定のライブ音源配信、メンバーの秘蔵映像などが提供されている。コンテンツという点に限れば、『TYM 30』は“ライトなファンクラブ”という位置づけになっていくのかもしれない。この点は配信されるコンテンツ次第と言えそうだ。

 『TYM 30』では、4月中旬から月額500円(税込)のプレミアムプランがスタートする。ライブ映像や懐かしのTV番組など、超貴重な映像コンテンツも多数配信される予定だ。なお、スカパー!放送を契約している場合、Myスカパー! IDでプレミアムプランが利用できる。有料コンテンツとなれば、期待のハードルを上げざるを得ない。ファンクラブ加入者からは悩ましい半面、嬉しい悲鳴が聞こえてきそうだ。いずれにせよ、今後同アプリがどのようなコンテンツを配信していくのか楽しみである。

 THE YELLOW MONKEYは90年代の邦楽シーンに登場して以来、ライブやMVなど、数多くの映像コンテンツをファンや音楽好きたちに提示してきたバンドだ。VHS、LD、DVD、Blu-rayと、その時代に合わせた媒体で発表されてきた。そして今はスマートフォン主体のアプリ、それにサブスクリプションの時代である。『TYM 30』は、時代の流れに寄り添ってきたTHE YELLOW MONKEYが送る最上のエンターテイメントコンテンツへと発展していく予感がする。

■吉川敦
フリーライター。音楽と言葉が大好物。憧れの人物はアインシュタインとエルキュール・ポアロとアンディ・ウォーホル。

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