Appleの“2018年ランキング”から見えてくるものとは? ジェイ・コウガミに聞いた

 2018年も終盤に差し掛かり、各プラットフォームが年間のデータなどを発表するなか、Appleも2018年のランキングを発表した(https://www.apple.com/newsroom/2018/12/apple-presents-the-best-of-2018/)。

 アプリやゲーム、Apple Music、ムービー、Bookなど、様々なランキングが発表されているが、このラインナップから読み解けるものとはなんだろうか。デジタルジャーナリストのジェイ・コウガミ氏は「Appleがアプリとゲームに分けてランキングを発表していることに注目したい」と述べる。

「今回のランキングは、iPhoneやiPadがいかにゲームコンソール、配信プラットフォームとして大きなものになっているのか、ということを象徴したものだと思います。大きいのは、これまでのパズルゲームやアプリだけで楽しめるものとは違い、『PUBG』や『フォートナイト』など、コンソールでもアプリでもプレイもできて、開発者にもプレイヤーにもメリットがあるクロスプラットフォームのコンテンツが短期的に出てきたことが大きく影響していると思います。PS4でやっていたようなFPSからこちらに乗り換えたユーザーも多く、スマートフォンにも十二分に楽しめるスペックが備わってきたことで、より爆発的に普及したのが2018年の出来事でした」

 そのうえで、現在のバトロワゲームの盛り上がりを受けて、心配なこともあるという。

「Appleとしては、これらのゲームソフトの開発会社が自社で取り仕切って配信・課金を行うようになると、影響が出てくるのではないでしょうか。Epic Gamesが『フォートナイト』のクロスプラットフォーム機能を開放したこともその一環といえますが、全てのプラットフォームにオープンで、iOSに依存しなくてもいいゲーム会社が増えてくるかもしれません」

 また、アプリのランキングについても「クリエイターツール」が多くランクインしたことに注目した。

「『Adobe Lightroom』など、これまでPCで使っていたようなクリエイター向けのツールが、スマートフォンの一般ユーザーでも使えるようになって降りてきたことも大きいですね。背景にはAIの発展や、YouTuber・Instagramer、TikTokerのように、ツールを駆使してクリエイターになることができることも大きいでしょう。この感覚は日本だけでなく万国共通のものなので、世界的にもこれらの動きはますます加速していくのではないかと予想されます」

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