『スマブラSP』はなぜ簡単なようで意外と難しいのか? その理由を徹底分析
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』発売後、SNS上で“『スマブラSP』はチュートリアルが無く初心者に不親切ではないか?”といった話題が議論を巻き起こした。
また、他にも隠しキャラを出すために戦う“挑戦者”や、1人プレイモード“灯火の星”のCPキャラが強すぎるという声もそれなりに上がっている。筆者も挑戦者を全員倒すまでに相当回数負けており、ファイター全員解放はなかなか骨が折れた(アップデートにより挑戦者の難易度は調整済)。
子供から大人までワイワイ楽しめるはずの『スマブラ』は、もしかすると難しいゲームなのかもしれない。この記事では『スマブラ』の難易度についていくつかの視点から考察してみたい。
簡単なようで複雑な操作系
初心者が『スマブラ』をプレイするうえで最大の難関となるのは“基本操作”だ。
『スマブラ』を遊んでいて強攻撃を出したいのにスマッシュが出てしまい、スマッシュの隙を突かれてやられた経験はないだろうか? 着地した瞬間に投げようとしたらキャラの向きが逆で、反対に投げられてしまったことは?
『スマブラ』の操作系は独特だ。たとえばAボタンを押すだけだと弱攻撃が出て、スティックを入れながらAを押せば強攻撃、スティックをはじきながらAを押せばスマッシュと、Aボタンを押すだけでも攻撃は3種類に派生しうる。
このスティックの入れ具合で技の種類が変わる仕様は、初心者にとってはクセ者だ。初心者が“チュートリアルが欲しい”と感じる大きな理由は、この簡単なようで入り組んだ操作系にあるのではないだろうか。
難しいコマンド入力やコンボができなくてもスマッシュ技で相手をKOできるのが『スマブラ』のいいところだが、コマンド技を廃したことで操作が逆に複雑になってしまった部分もある、ということだ。
また、『スマブラ』には大ジャンプと小ジャンプの使い分けもあれば、キャラの向きの概念もある。もちろん全ての要素を理解・習得せずとも『スマブラSP』は楽しめるが、一概にコンボやコマンド入力がないから『ストII』より『スマブラ』のほうが簡単で初心者向けだとは言えないだろう。
スクリーンサイズに対するキャラクターの小ささ
友達と集まって大乱闘を遊ぶときに、1人だけ未経験の初心者が入ってプレイすることはよくある。そういったシチュエーションで困るのは、操作方法をざっくり教えても初心者は“いま自分が何をやっているかがわからない”ことだ。
「えっ、いま俺のキャラどこにいるの?」
「何されてるの? これ」
はじめて『スマブラ』で大乱闘を経験したプレイヤーは、よほどゲーム慣れしていなければ混乱してしまうことだろう。
『スマブラ』は多人数対戦という都合上、自分の操作するキャラが画面に小さくしか映らない。また、モンスターボールやアシストフィギュアなどをオンにしている場合は、画面が余計に煩雑になる。そのため、初心者は大乱闘中に自分がいまどんな操作をしていて、その操作が正しいものであるか間違っているのかさえ気づけないのである。これでは上達は見込めない。
この問題に関してアナログな解決方法を提示するとすれば、初心者がいたらできるだけテレビ画面に近い席を譲ってあげることだ。