日本政府、ファーウェイとZTEを政府調達から排除へ 米中貿易摩擦激化はiPhoneにも影響?
一般消費者への影響は?
ファーウェイ幹部の逮捕は、米中貿易摩擦における懸案事項のひとつのように感じられ、一般消費者への影響を体感するのは難しい。しかし、今回の逮捕劇をきっかけとして米中の対立が激化した場合、一般消費者への影響が目に見えるかたちに出るかも知れない。
そうした一般消費者への影響として考えられることは、iPhoneのサプライチェーンの変化だ。こうした変化は、すでに起こり始めている。ロイターは4日、iPhoneの組み立てを請け負っているFoxconnが組み立て工場を中国からベトナムに移転することを検討していることを報じた。こうした動きは、明らかに米中貿易摩擦が影響している。
もしiPhoneのサプライチェーンが変化した場合、考えられるスマホ市場への影響はiPhone価格の変化あるいはリリースサイクルの変化だ。だが、実際に移転したとしても、こうした変化は起きないかも知れない。
考えられるもうひとつの影響は、ファーウェイとZTEのスマホを世界市場から排除する動きが生じるかも知れない、ということだ。前述したように中国の国家情報法がある限り、2社のスマホから知りえる情報は中国政府に筒抜けである。この事態を重く見て、例えばアメリカで2社のスマホの販売が終了した場合、こうした中華スマホ排除の動きは瞬く間に世界市場に波及するだろう。
確かに言えそうなことは、米中貿易摩擦はすぐには収束しそうにないことである。そして、この問題は日本の一般消費者にも影響があることだ。
トップ画像出典:ファーウェイとZTEのtwitterアカウントからロゴを引用
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi