ファーウェイCFOがカナダで逮捕、原因は“イランへの制裁違反”? 広がる中華メーカー包囲網

 近年スマホ市場を席巻している中国大手スマホメーカーの幹部が、カナダで逮捕された。逮捕の理由は発表されていないが、その背景には米中の対立があるようだ。

2016年からマーク

  AFP通信は6日、カナダ司法省が中国大手スマホメーカーHuaweiのCFO(最高財務責任者)であり同社創業者の娘でもあるMeng Wanzhou(孟晩舟)氏を逮捕したことを報じた。同氏が逮捕されたのは今月1日で、同氏が報道禁止を求めたため詳細は明らかにされていない。カナダの隣国であるアメリカ政府は、同氏の引き渡しを要求している。

 ロイター通信は、今回の逮捕は同社がアメリカのイランと北朝鮮に対する制裁措置に違反しているとされることに関連している、と報じている。さらに、アメリカ当局は同社がイランなどにアメリカ製品を輸出した疑いがあるとして、2016年ころからニューヨークの連邦検察当局が中心になって捜査していた、とも伝えている。今回の逮捕に関して、在カナダ中国大使館は逮捕に断固として反対すると表明している。

同調する国が次々と

 Huaweiをめぐっては、逮捕という実力行使には至らないまでも各国が何らかの措置を講じる動きが相次いでいる。

 イギリス大手メディアのガーディアン紙は、件の逮捕を報じた記事でイギリスの通信事業最大手のBTグループが5日、中国企業のインフラに依存しない社内ポリシーを履行する一環として、同社が展開する3Gと4Gの携帯電話通信網からHuawei機器を取り除く過程にあることを発表した。また、先週にはイギリスの諜報機関MI6の長官であるAlex Younger 氏が、イギリスにあるHuawei機器に対して懸念を表明していた。さらにニュージーランドとオーストラリアの政府も将来導入される5G通信網にHuawei機器を利用しない方向に進んでいることも伝えている。

 同紙は世界各国でHuawei機器の排斥が進む理由として、同社が各国の競合企業の大きな脅威となっていること、そして同社の機器が中国政府のスパイ活動に利用される懸念があることを挙げている。

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