Snap復調の起爆剤となるか? スマートグラス「Spectacles 2」の新モデルをリリース

スマートグラスとARヘッドセットの違い

 伝統的なサングラスをテクノロジーによってアップデートするスマートグラスは、一見するとHoloLensやMagic Leap OneのようなARヘッドセットと類似した製品カテゴリーに属するように感じられる。しかし、両者は文字通り「似て非なる」ものだ。

 スマートグラスはSpectacles 2を見ればわかるように、屋内屋外問わず使え、ユーザ層は一般スマホユーザを想定している。このカテゴリーのデバイスは、AppleとGoogleも開発していると言われている。両社がリリースを目指しているデバイスは、モバイルAR機能をスマホのディスプレイではなくサングラスのレンズで実現するものと考えられる。このように、スマートグラスはスマホの周辺機器的な位置づけなのだ。

 対してARヘッドセットは、企業が主なユーザ層として想定されており、利用シーンもオフィスや工場となっている。ARヘッドセットは、言ってみれば現在のPCの後継デバイスなのだ。PCのディスプレイを使って実行している業務をAR環境で行う、というわけである。3Dオブジェクトのモデリングといった業務では、AR環境で実行したほうがPCより直観的に操作できるのは想像に難くない。

 今回発表されたSpectacles 2の新モデルによって、スマートグラス市場が誕生するとは考えにくい。同市場が誕生するのは、やはりAppleがiPhoneと連携するようなスマートグラスをリリースした時であろう。そして、その時は2020年頃と予想されている。現在は、もしかしたらモバイル文化が大きく変わる「夜明け前」かもしれないのだ。

トップ画像出典:Snapニュース

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。
Twitter:@kohkiyoshi

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