ストリーミング配信のメリットは？

　ストリーミング配信は必ずしもパッケージを否定するものではありません。配信のメリットとしては、旧譜や代表曲が多くのリスナーに聴かれること。もう一つはアルバムだけでなく、プレイリストでも聴かれること。パッケージよりも曲へのアクセスが手軽になるのも魅力的ですね。

　まだ日本ではストリーミング配信が浸透しきっていないので、ストリーミングで聴いてもらうためにはアーティスト自身が解禁への思いやストリーミングへの意見を語ったり、ファンへの呼びかけをしていく必要がある。アーティスト側がストリーミングにもう一歩踏み込んで向き合うことが、リスナーがサービスを使うハードルを下げるのでは。

　aikoさんや安室奈美恵さん、BUMP OF CHICKENやback numberといった人気アーティストで楽曲を配信していない例はまだたくさんありますが、個人的に期待しているのは山下達郎さんですね。ストリーミングサービスを使うことで、アーティストが作品を発表する機会自体ももっと増えてほしいなと思います。アーティスト側が積極的にストリーミングを使うことによって、国内でもサービスの重要性が高まっていくのではないでしょうか。

（取材・文＝編集部）