任天堂「N64」の商標出願で期待高まる『64ミニ』 収録ラインナップはどうなる?

 任天堂が「N64」を特許庁に商標出願していたことが明らかとなった。商標は「電子ゲーム用プログラム」「家庭用テレビゲーム機用プログラム」などが属する9類に区分されており、国内外の各業界誌やゲームファンはクラシックミニ版の『NINTENDO64』(N64)発売に先駆けたものではないか、とにわかにわき立っている。

発売日やスペックはE3で発表か

 もしクラシックミニ版N64が本当に誕生するなら、アメリカ・ロサンゼルスで6月13日~6月15日の3日間にわたり開催される「E3」で発表されるかもしれない。E3は「Electronic Entertainment Expo 」の略で、世界中のゲームパブリッシャーやデベロッパー及びメディアが注目する最大級のゲーム展覧会だ。ニンテンドースイッチ版『大乱闘スマッシュブラザーズ』(スマブラ)のプレイアブル出展が話題になっているが、サプライズに期待が高まってしまう。

 SNSを中心に収録ラインナップリストが出回っているものの、当然ながら公式情報ではないため、信ぴょう性に大きく欠ける。『マリオカート64』や『マリオパーティー』、『ゼルダの伝説』シリーズ等の定番タイトルは、『64ミニ』が発売されれば確かに収録されそうだが、いずれにせよ、現段階では商標情報が判明しただけなので、任天堂からの公式発表が待ち遠しい状況だ。

3D描画に特化したの任天堂初の64bit機

 そもそもNINTENDO64は、1996年6月23日に発売された、任天堂初の64bitゲームハード。ローンチソフトに『スーパーマリオ64』と『パイロットウイングス64』を引っ提げて産声を上げた。ゲームプレイに欠かせないコントローラーは中央に「3D(サンディ)スティック」を配した作りとなっている。同時代のゲーム業界三国志を形成していた『プレイステーション』(PS)と『セガサターン』(SS)が共にCD-ROMを採用したのに対し、N64はあえてカセットROMを採用。データ容量面で不安はあったが、当時のゲーム作品でありがちだった、ロード時間の長さを解消した。

 N64の最も大きな特徴は、やはり64bit機が織りなす3Dグラフィック描画機能だろう。PSの約4倍の性能を誇るCPU搭載で実現したポリゴン処理能力は、『スーパーマリオ64』や『ゼルダの伝説 時のオカリナ』、『バンジョーとカズーイの大冒険』に代表される、限られた3D空間内で繰り広げられる箱庭アクション作品の誕生に大きく寄与した。しかし『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』といったメジャーRPG作品は発売されず、結果として供給ソフトがアクションに偏る形で次世代ハードにバトンタッチとなった。

 収録ラインナップを予想する上で、ソフトの売り上げランキングを見てみよう。

ニンテンドウ64ソフト全世界累計売上ランキング

1位:スーパーマリオ64(1190万本)
2位:マリオカート64(980万本)
3位:ゴールデンアイ 007(800万本)
4位:ゼルダの伝説 時のオカリナ(760万本)
5位:ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ(550万本)

 上記の通り、ランキング上位作品の中に純粋なRPGは含まれていない。だが『ゲームキューブ』や『Wii』でもシリーズが展開され、『Nintendo switch』版も開発が進行している『スマッシュブラザーズ』シリーズや、国内外で数々の栄誉ある賞に輝いた『ゼルダの伝説 時のオカリナ』など、ゲーム史に影響を与えた作品も多く見られる。

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