Nintendo Switch Onlineの正式サービスが9月に開始 加入するメリットと、有料化による懸念点を解説

 5月8日、任天堂は公式サイトにて「Nintendo Switch Online」の正式サービスを9月中に開始すると発表した。これをもって、現在提供されている無料体験版は終了する模様だ。本記事ではNintendo Switch Onlineの機能や料金プラン等の基本情報をはじめ、加入のメリットと有料化による懸念点についても解説する。

ユーザー別の用意された2種類の料金プラン

 Nintendo Switch Onlineの料金プランは2種類用意されているが、提供予定の機能に大きな違いはない。1人用アカウントに対応した個人プランに加え、最大8アカウントまで利用できる家族向けのファミリープランも登場する。こうした利用権は任天堂公式サイトやニンテンドーeショップで販売され、ユーザーのプレイ環境に合わせてプランが選べる仕組みというわけだ。

 ファミリープランは12ヵ月からの利用が前提で対応アカウント数も多い分、個人プランに比べて価格が割り増し、またプランの加入には、クレジットカード情報やPayPalアカウントのニンテンドーeショップ紐付け作業が必要となる。ちなみに料金はすべて税込で、個人プランが1ヵ月(60日)300円、3ヵ月(90日)800円、12ヵ月(365日)2,400円、ファミリープランが12ヵ月(365日)4,500円となっている。

Nintendo Switch Onlineで提供されるサービス

 そんなNintendo Switch Onlineで提供されるサービス機能は、大きく分けて3つ。

 1つ目は当然、ネットワークを介したマルチオンラインプレイだ。Nintendo Switchは発売してから現在まで無料でオンラインプレイを楽しめたが、9月の正式サービス開始以降は有料となる(一部対象外の作品もあり)。

 2つ目は様々なゲーム作品のセーブデータを、オンラインストレージ上で保存してくれるクラウドサービスだ。以前よりユーザーから同機能を求める声は多く、今回は満を持しての実装となった。セーブデータの破損や誤ったデータ消去といった不慮の事態が発生しても、オンラインでセーブデータを残しておけば簡単に復旧できるため、コアなゲーマーでなくとも嬉しい機能と言えるだろう。

 3つ目は、サブスクリプション形式を採用した『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』の存在だ。『スーパーマリオブラザーズ』や『ゼルダの伝説』といった往年のファミコンソフトが遊べるもので、単なる移植にとどまらずJoy-Conを使った2人同時プレイやオンライン機能にも対応とのこと。懐かしい名作の数々を新たな環境、新たな遊び方で楽しめるため、ネット上では歓迎の声が上がっている。

 現時点で発表された20タイトルは、『バルーンファイト』や『アイスクライマー』など、パーティー感覚で多人数プレイを楽しめる作品が多く見られる。今後ラインナップは追加される模様だが、Wii Uやニンテンドー3DS向けに配信されている、バーチャルコンソール(ダウンロードして遊べる)的な機能展開は、今のところ発表されていない。

オンラインプレイ有料化による懸念点とは

 今回のNintendo Switch Online正式サービスの開始発表にあたり懸念されるのが、「有料化によるユーザー数の減少」だ。特にオンラインプレイの有料化は『スプラトゥーン2』や『マリオカート8 デラックス』等の人気作も対象となるため、一定数はいるであろう「無料だから遊んでいた」層のゲーム離れは無視できない。オンラインプレイのシーンにどの程度、影響を与えるかは読めないところだが、一時的にプレイヤー数が減り、盛り下がってしまう可能性も否定はできない。問題なく課金できるユーザーも、それは望むところではないだろう。

 しかし、今回はオンラインプレイの有料化だけでなく、上記のようにオンラインストレージによるセーブデータの保存、ファミコン作品のプレイ権、プラン加入者限定の特典といったインセンティブもある。オンラインのマルチプレイが前提のゲームも増加しており、早晩、多くのユーザーがNintendo Switch Onlineに加入する光景は容易に想像できる。

関連記事