文章の要約を行うAIも登場ーー身近な先端テクノロジーを展示した「コンテンツ東京2018」レポート

 2018年4月4日~6日まで、東京ビックサイトで開催された「コンテンツ東京2018」。「日本最大のコンテンツビジネス総合展」と銘打ち、「ライセンシング ジャパン」、「クリエイターEXPO」「映像CG制作展」「コンテンツ配信管理ソリューション展」「コンテンツマーケティングEXPO」「先端デジタルテクノロジー展」「グラフィックデザインEXPO」「AI・人工知能EXPO」の8つのエリアで構成されていた。今回はこの8つのエリアの中から、すぐに体験できるアイテムから変わり種の技術まで、テクノロジーをより身近に感じることができたAIやAR・VR関連の展示をご紹介しよう。

ビジネスの「ちょっと大変」を助ける技術たち

 業務向けのAIやディープラーニングなど、仕事を少し楽にする展示が目立ったAI・人工知能エリア。

 メディアドゥは音声入力で文字起こしをするサービスを紹介。同サービスは、AIにより文章の要約も行うという。現在音声入力の精度については90%とのことで、多少人間による修正が必要だが、間違った言葉を見やすくマーキングができるなど、使いやすいUIに。会議の議事録などに利用したいという企業が多いのだそう。現在、徳島県のウェブサイトにて実証実験も実施しており、どのようなアウトプットが得られているのか成果物を見ることができる。

 またOPTiMは、農業とITを融合。ドローンで農場の撮影を行い、その画像から農作物の状態を判断するというソリューションを展開している。佐賀と北海道で実験を行い、福岡三越で実際に育てた農作物を販売も行った。葉っぱ1枚ずつの状態がわかるほどの解像度で撮影し、どこに虫食いがあるか、病気があるのかをマーキング。病気が広がっている範囲を把握することで、ピンポイントの農薬散布ができ、結果的に通常の1/10程度の農薬で従来と同じ品質の作物ができたという。減農薬栽培になると商品価値も上がり、従来に比べ高い価格で販売まで至ったとのこと。

 魅力的な技術だが、業務用ドローンの購入はかなりハードルが高い。その点、OPTiMはドローンを無償で提供し、さらに流通やブランディングなどもサポート、遠隔で農作業の指示ができるというメガネ型のスマートデバイスを利用したサービスもセットで提供するという。今は大豆と米のみに対応しているがが、将来的には20~30種類の作物も展開したいのこと。ITが新しい農具のひとつになる日も近いかもしれない。

 受付や商品案内、問い合わせ対応などは、すでにAIが活躍している分野で、今後より利用が広がっていく予感を感じさせる展示が多かった。

AI活用も、より暮らしへ身近に

 ビジネス関連が多いAI・人工知能EXPOエリアだったが、身近な生活に関連するようなアイテムも展示されていた。

 FRONTEOが2017年2月から発売開始されているロボット「Kibiro」は、昨年12月から見守りに特化した「見守りKibiro」を展開している。この日、会場に展示されていたのは、おしゃれな洋服に身を包んだロボットたち。最初はロボット好きを中心に購入されていたそうだが、見守り機能に特化したことで、ユーザーが利用シーンを想像しやすくなり、購入者層にも変化が出てきたそうだ。

 ONKYOは首にかけて持ち運びできる、ウェアラブル型のスマートスピーカーを参考商品として展示。周囲の環境音が聞こえる状態で、音楽を楽しむことができる。同時にSIMを入れて持ち運べるスピーカーも参考商品として展示しており、家の中だけでなく様々なシチュエーションでスマートスピーカーを利用できるようになりそうだ。また音声の声は男性、女性だけでなく、好みの声に変更も可能。将来的には好きな声優や俳優の声でスマートスピーカーが返事をしてくれる…という日がくるかもしれない。

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