『VIVANT』最終回は“世界のリセット”が起こる? “ノアの方舟”が示す結末を考察

『VIVANT』最終回は世界がリセットされる?

 堺雅人主演TBS系日曜劇場『VIVANT』も残すところあと2話。前回放送の第22話では、ノゴーン・ベキ(役所広司)の生存が明かされ、物語もクライマックスに向け大きく動き出した。そこで、残された謎や物語の結末について考察してみたい。

 まず第22話で気になったのが、リュウ・ミンシュエン(堺雅人)と野崎守(阿部寛)の「謎の3時間」だ。今作は拷問描写に関してはストレートなため、野崎を愛するリュウによる愛の拷問部屋3時間コースの可能性もあるが、仮に2人が手を組んでいたとしても、単なる作戦会議にしては長すぎる。そこで考えられるのが、新庄浩太郎(竜星涼)救出作戦のときのように野崎のダミーを作るため型取りをしていた可能性。ただあれだけリュウが汗だくになっていたことを考えると、下水道などの脱出ルートに繋がる穴を掘っていたと考えるのが無難だ。

 リュウが野崎と手を組んでいる匂わせとしては、ドラム(富栄ドラム)がリュウに撃たれたものの、弾丸がどれも内臓まで届いていなかったことから、乃木は彼らの思惑に気づいた様子だった。トドメを刺さずに外へ埋め、野崎からのメールを受けたチンギス(バルサラハガバ・バタボルド)が待ち構えていたのも、おそらくリュウの手によるもの。ドラムを解放したのは乃木たちに一連の情報を伝える「メッセンジャー」としての役割。これにより乃木たちは核融合研究者のエリシャ(マナフ・ダダショフ)と娘・プリシャのこと、野崎がジャミーン(本間さえ)の居場所を情報ブローカーであるタイラン(ミルゼ・アガベイリ)及び中国の秘密諜報組織シンシーに話したことを伝え、保護へ向かうこととなった。しかし最終的にシンシーが待ち構えて取り囲まれる状況となってしまったことで、リュウが仕掛けた罠にハマったという見方もできる。

 未だに見えないのは、別班やジャミーンを売ってまでも辿り着きたい野崎の目的だ。野崎の言う「大きな渦」が、エリシャが発明したとされる持続可能な核融合技術のデータをめぐる各国の諜報戦を指すのであれば、彼の目的はエリシャの居場所を突き止めること。その技術が「ノアの方舟」伝説のように世界を滅亡へ導くものなのであれば、いっそのこと彼を始末することさえ考えていそうだ。そこで野崎が確認すべきことは、生きているとされるエリシャが本物なのか、そして核融合の話が事実なのかという点だ。そのためには、プリシャ(ジャミーン)と直接会わせる必要があった。しかし、テントや乃木たちに真っ当に交渉しても許可されるはずがなく、今回のような強引な手法をとったのだろう。もし核融合が事実と判明した後のことを考え、タイランやシンシーたちによる独占を阻止するため、現在はリュウと画策していると予想される。

 余談の範疇だが、野崎の兄が病院を経営している事実が明かされた理由として、単にベキを生かすための物語上の都合という可能性もある。しかし、経営まで携わっているとなると、野崎は医師家系の確率が高い。さらに、第1話で野崎が乃木の負傷した腕を器用に縫合して看護師の柚木薫(二階堂ふみ)から驚かれるシーンや、野崎は大学入学から警視庁に入るまで6年かかっていることから、医学部卒業の可能性が高い。そこで、「核融合」と「医療」の関わりをネットで検索すると「核融合技術は発電だけでなく、がん治療や創薬の分野への応用も期待されている。」と出てくる。これを踏まえると、野崎に難病から救いたい人物がいたり、医療業界に必要な技術としてエリシャを守りたいと考えるならば、多少の犠牲を払ってでも行動に移す動機になり得る。

 もし野崎とリュウが手を組んでいるのなら、エリシャの生存を伝えたもう1人の野崎のエージェントだったチョウ・ケイシ(高橋光臣)の動向も気になるところ。

 そして大きな話題となったのがベキの生存だ。第1シーズン最終話(第10話)で乃木の銃弾に倒れて死亡したと思われていたが、野崎らの計らいで命を救われ、同じく撃たれたテント幹部のピヨ(吉原光夫)やバトラカ(林泰文)とともに、島根県奥出雲町にある乃木家の実家で療養生活を送っていたことが、乃木とノコル(二宮和也)から明かされた。ベキに関して疑問視されているのが、「7年前、なぜプリシャだけを救出してエリシャを助けなかったのか」という点だ。そもそも、誰からの依頼だったのか。アジトの壊滅が本来の目的だったのか。もしエリシャの奪還も目的の一つだったとすれば作戦は失敗していることになり、最初からプリシャを確保するための計画だった可能性も浮上する。アゼルバイジャン語を覚えていたジャミーンがプリシャであることはほぼ確定だが、エリシャと一緒にいると命が狙われると考え、善悪の判断ができるプリシャがベキたちを「善」と判断したことで、ベキに託すような駆け引きがあったのではないか。あるいは、テントに依頼した張本人がエリシャだったとか、単に2人を同時に救出する余裕がない状況だったのか。

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