“本格ホラー”のDC映画『クレイフェイス』北米No.1 話題の3時間ドキュメンタリーが猛追

DC映画『クレイフェイス』北米No.1

 日本でも話題の“ネタバレ厳禁”ドキュメンタリー映画と、DC映画の最新作が熾烈な争いを繰り広げた。

 10月23日~25日の北米映画週末ランキングは、DC映画『クレイフェイス』が初登場No.1を獲得した。北米3458館で週末興行収入2400万ドルを記録し、海外76市場での1900万ドルをあわせ、世界興収4300万ドルというスタートとなった。

 これを猛追したのが、前週から人気沸騰中のA24製作ドキュメンタリー映画『You Can See Everything(原題)』。公開2週目は、上映館数を前週の855館から2655館まで一気に拡大した。週末興収は1950万ドルで、なんと前週比25%増。『クレイフェイス』よりも約800少ない館数で、興収差はわずか450万ドルだ。

 『クレイフェイス』は、コミック『バットマン』シリーズのヴィラン、クレイフェイスを主人公とするR指定のボディホラー。人気の若手俳優であるマット・ヘーゲン(トム・リス・ハリス)が、顔に深い傷を負ったことで実験的な治療にすがるが……。監督は『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』(2024年)のジェームズ・ワトキンス。

『クレイフェイス』©DC Studios. All Rights Reserved.

 本作は大作路線のスーパーヒーロー映画ではなく、製作費4400万ドルという中規模の本格ホラー。DCスタジオ幹部のジェームズ・ガン&ピーター・サフランすら戦慄したという作品性には高い評価が集まっており、Rotten Tomatoesでは批評家スコア75%・観客スコア94%。映画館の出口調査に基づくCinemaScoreは「A-」評価を得た。

 年代別の最多層は18~34歳で、全体の73%。公開2週目の『ストリートファイター/ザ・ムービー』がIMAXを確保していたためIMAX上映はなかったものの、その他のプレミアムラージフォーマット上映が興行を支えた。

 初動成績2400万ドルという数字は、スタジオが期待した2500万~3500万ドルをやや下回るが、抑え目の製作費を鑑みれば、今後の劇場興行とソフト&配信展開で黒字化は十分可能。日本では10月30日公開だ。

 第2位の『You Can See Everything』は、引き続き驚くべき勢いだ。1館あたりの週末興収は7344ドルと、『クレイフェイス』を上回った。観客の66%は35歳未満で、男女比は50%ずつ。出口調査では79%が「ぜひ薦めたい」と回答しており、口コミの強さも健在だ。SNSでの推定リーチは前週比31%増の1億3000万、関連動画の再生数も4500万回に達するというバズりようである。

『You Can See Everything(原題)』写真:Everett Collection/アフロ

 製作費700万ドルに対し、北米累計興収は4514万ドルと、興行面での成功は言うまでもない。北米最終興収8000万ドルを予測する声や、アカデミー賞作品賞へのノミネートまで期待されているほどだ。

 先週も紹介したとおり、本作は医療ベンチャー「セラノス」の創業者で、詐欺罪などで有罪となったエリザベス・ホームズに密着したドキュメンタリー。監督のネイサン・フィールダー&ランス・オッペンハイムが3年をかけて秘密裏に製作した本作を、A24は全貌を伏せたまま公開し、異例の熱狂を巻き起こした。業界では、この興行戦略も高い評価を得ているという。

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