『VIVANT』豪華声優陣の起用になぜ賛否? “吹き替え”が変えたキャラクターの印象
TBS日曜劇場『VIVANT』第19話が10月4日に放送された。アジア大会の中継を挟み、2週ぶりの放送となったが、後半戦に入っても好調ぶりが続いている。
そんな『VIVANT』第2シーズンで注目を集めているのが豪華声優陣の出演だ。別班のスーパーコンピューター「AI ハヤト」の声を高山みなみが担当しているほか、すでに小山力也、甲斐田裕子、中村悠一、高木渉、榎木淳弥が登場。加えて、第19話では多言語が飛び交う拉致別班員救出チームに乃木(堺雅人)が準備した「同時通訳機」が支給され、山路和弘、緒方恵美など新たに5人の声優が吹き替えに投入された。今作では事前に出演を知らせず、放送を観て初めて声の主に気づかせる手法も含め、「誰が声を担当しているのか」も話題の一つになっている。
とはいえ、「声のサプライズ」が視聴者からもろ手を挙げて歓迎されているというわけでもない。第1シーズンから登場しているドラム(富栄ドラム)が使う翻訳アプリの音声を林原めぐみが担当しているところまでは面白がられていた。しかし「AI ハヤト」の高山の場合は代表作である『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナンのイメージに引っ張られたり、感情的な性格やアニメキャラのアイコンが別班の緊張感に合っていないという指摘も目立つ。
さらに、賛否が分かれたのが、チョッキーの日本語音声を『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役で知られる鬼頭明里が担当したことだ。チョッキーはタイの実業家でありテントのモニター。感情の起伏が目立つキャラクターでもある。そこに鬼頭の声が重なることで、視聴者からは「聞きやすくて良い」という声が聞かれた一方で、「地声で聞きたい」「急にイメージが変わった。字幕のままがよかった」「本人が話す外国語の響きまで含めてキャラクターだと思う」といった拒絶反応も見られた。
『VIVANT』は第1シーズンからモンゴル語など外国語を多く取り入れ、字幕でそれを伝えてきただけに、突然日本語の声が聞こえてきたことに戸惑った人が多かったのだろう。
ただ、作中では日本語、モンゴル語、タイ語、アゼルバイジャン語、中国語などが飛び交っており、登場人物同士が意思疎通するためには、吹き替えのほうがわかりやすいという制作サイドの視聴者への配慮があったとも考えられる。
実際、こうした外国語の吹き替え演出は、『大空港~GATE24~』(テレビ朝日系)では“成功例”として受け取られた。同作では、外国語のセリフが突然日本語吹き替えに切り替わる演出を採用。視聴者からは「『ザ!世界仰天ニュース』みたいで違和感なかった」と好意的な感想が聞かれ、テレ朝サイドは「ドラマの大部分で字幕を追うことになるため、日本人キャストの日本語の芝居を見てもらいたい」意図があったと説明している。また、現在放送中の『kiDnap GAME』(フジテレビ系)では、第1話から外国人キャストのセリフを全編吹き替えで放送したことによる賛否も見られる。
第2シーズンでの吹き替えは、声優のサプライズ出演という宣伝効果にとどまらず、外国語や字幕で描いてきたキャラクターに日本語の声という要素を加え、人物の見え方を広げる“挑戦”だったとも言える。視聴者からさまざまな受け止められ方をされたことも含め、外国人キャストの芝居と日本人声優の表現が重なることで、『VIVANT』ならではの新たな“化学反応”が生まれたのは間違いないだろう。
■放送情報
日曜劇場『VIVANT』第2シーズン
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、山中崇、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、内野謙太、花岡すみれ、本間さえ、二宮和也、井上順、林遣都、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、宮下今日子、Tanapak Jongjaiphar、濱田岳、坂東彌十郎、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李
原作・演出・プロデュース:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/
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