『VIVANT』後半戦を前に“真の敵”を徹底考察 “ジャミーン”本間さえは世界を変える存在に?

そしてこの別班奪還作戦を提案したのが長野専務(小日向文世)。今回乃木を焚きつけた理由について、「熊谷君とはエリシャの任務で一緒だった。命令には絶対服従、それが義務。でも助けてやりたい」という唐突すぎる独白があった。熊谷(西山潤)は拉致された別班の1人だ。ただ、別班のエリシャ捜査は2016年に一旦打ち切られており、熊谷が2021年に別班に参加したという経歴には違和感が残る。この重要な局面でFが一切姿を見せないことにも、後日Fが再登場した際の「伏線回収」に向けた意図が推測される。また、乃木はノコルの留守中のテントを任せられたアリに対し、別班とは名乗らず、丸菱商事の長野専務として携帯番号を書かれた名刺を渡したのは、何かの罠なのかも知れない。

長野が別班員として乃木に会ったとき、出世の際の世間体として偽装結婚したことを語り(相手は櫻井司令官か?)、「粉骨砕身、全て任務に捧げ、寂しい人生を送った」と嘆いた。今回拉致された5人を別班があっさり切り捨てようとした状況を目の当たりにしたことで、組織の非情さに絶望し、それゆえに自ら核融合の技術を手に入れ、使い捨てにされない新しい世界を築こうという思いに至ったのだとすれば、彼の行動も十分に理解はできる。
そして野崎は何を企んでいるのか。別班をシンシーに売り渡した裏切り者かと思われたが、実は公安部長の佐野(坂東彌十郎)と極秘で、シンシーが成功させようとしている核融合技術の実態と動向を探る任務を実行していることが分かった。ただ現状として、別班員を売り、その囚われた場所を知らせて奪還作戦が行われ、自分は二重スパイに失敗している。救出されたとて、このままだと別班に消されるのは間違いなく、かといってシンシーを破壊したら確実に国際問題に発展する。野崎の勝算が全く見えないのだ。
ただ、勝算があるとするなら、野崎がリュウ(堺雅人)と裏で結託している線だろう。第19話の予告には、薫が寝床で口を塞がれるシーンがあった。乃木と同じ顔を持つリュウであれば、監視の目を潜り抜けて乃木家に侵入し、薫たちに接触することも十分に可能だろう。目的はジャミーンの拉致と考えるのが自然だが、もし野崎と結託しているのなら、野崎の仲間として彼女を安全な場所へ移動させに来たとも考えられる。また、野崎はハンと接触する前、イスラエルで謎の男と面会していた。一見するとハンへ繋ぐための仲介役に見えたが、実は野崎は、モサド(イスラエル諜報特務庁)と思われるこの強力な組織をバックにして現在動いているのではないか。ただ、それがいったい何を意味するのかは、まだ謎に包まれている。
奪還作戦がどのような結末を迎えるにせよ、乃木は別班に反旗を翻した行動をしているので、たとえ櫻井司令官が許可を出したからといって、やはり規律を見出した者は消される運命ではないだろうか。もはや別班上層部の誰かがシンシーに情報を流し、捕虜となった別班員もろとも、勝手な行動をとる乃木やテントの残党を一度に抹消することにあったとすれば、物語の最終局面は「別班上層部 vs 乃木連合軍という展開もありえる。それこそベキが上原への復讐心と同じ感情だ。

奪還作戦がどのような結末を迎えるにせよ、乃木は別班に反旗を翻した行動をしている。たとえ櫻井司令官が許可を出したからと言って、やはり規律を乱した者は消される運命ではないだろうか。もはや別班上層部の誰かがシンシーに情報を流し、捕虜となった別班員もろとも、勝手な行動をとる乃木やテントの残党を一度に抹消することにあるとすれば、物語の最終局面は「別班上層部 vs 乃木連合軍」という展開に。
しかしそうなると、長野が作る新世界が彼らを救う道なのだろうか? 乃木たちの頼れる協力者であるバルカ警察のチンギス(バルサラハガバ・バトボルド)が捕まっている映像があったが、やはりノコルがいない間に、ワニズ(河内大和)らバルカ政府の腐敗幹部やシンシーが権力を掌握し、テント内部に分裂が起きるのかもしれない。そこでベキが再び降臨する事態になったら、物語としては胸熱な展開だ。
今後の放送予定が11月8日の第24話が最終話という、2クールのドラマだが実質13話という少なさで、残り2カ月の日曜劇場はどうするんだという状況。『VIVANT』の物語は2023年が舞台なので、乃木が何らかの形で失踪し、2026年を舞台にした乃木の新たな物語がスタートするのかもしれない。物語では「ノアの箱舟」という言葉も出てくるぐらいなので、核融合の成功が思わぬビッグバンを起こし、核戦争後の世界のようなSF的展開へと発展するのだろうか。次回放送までの期間、張り巡らされた数々の伏線に思いを巡らせながら、後半戦を楽しみに待ちたい。
■放送情報
日曜劇場『VIVANT』第2シーズン
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、山中崇、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、花岡すみれ、本間さえ、二宮和也、宮下今日子、オーム・タナパック、濱田岳、坂東彌十郎、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李
原作・演出・プロデュース:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/
公式X(旧Twitter):@TBS_VIVANT
公式Instagram:tbs_vivant
公式TikTok:vivant_tbs





















