藤野涼子と尾野真千子が初の本格共演 1960年代の海女文化を描く『AMA』制作へ

 藤野涼子が主演を務め、尾野真千子が共演する、ルクセンブルク・日本・フランス・イタリア4カ国共同製作映画『AMA(仮題)』の制作が決定した。

 本作は、 フランク・マンガン作、セシル・ベック画によるフランス発のグラフィックノベル『Ama: Le souffle des femmes』を、全編日本オールロケで実写映画化するもの。原作は、川端康成の『雪国』に感銘を受けたフランス人作家によって描かれ、第15回日本国際漫画賞で入賞を果たした。

 舞台は1960年代。都会での暮らしや周囲になじめず居場所を見失っていた20代の女性・平野渚が、祖父の死をきっかけに母が生まれ育った石川県・舳倉島(へぐらじま)へと向かう。そこで出会ったのは、厳しくも豊かな海とともに生きる叔母・舟冨梢をはじめとした、たくましく誇り高い海女たちだった。時代の変化とともに失われつつある海女の文化や人々の温かさに触れる中で、渚は母の秘められた過去を知り、自らの生きる道を模索していく。

 主人公・平野渚を演じるのは、『ソロモンの偽証』にて1万人超のオーディションの中から主役を射止めてデビューし、日本アカデミー賞新人俳優賞などを獲得、その後もNHK大河ドラマ『青天を衝け』や舞台『成瀬は天下を取りにいく』など幅広いジャンルで存在感を見せてきた藤野。

 舳倉島を訪れた渚に叔母として海女の生き方を教える舟冨梢を演じるのは、デビュー作『萌の朱雀』で第10回シンガポール国際映画祭主演女優賞を受賞して以来、NHK連続テレビ小説『カーネーション』や映画『茜色に焼かれる』、Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』など様々な作品で知られる尾野。

 これまで『ソロモンの偽証』や『影踏み』で同一人物の“過去と現在”という形で同じ役柄を演じてきた藤野と尾野だが、本格共演は本作が初となる。

 あわせて公開されたスチールでは、撮影の合間に笑顔を見せる藤野と尾野の2ショットのほか、それぞれが飾らない佇まいの中で真摯に役柄と向き合うソロカットも披露されている。オフショットのリラックスした表情と、これから始まる撮影への熱量が籠った真剣な眼差しが印象的なカットとなっている。

 監督を務めるのは、フランスを拠点に活動する河村勇樹。短編映画『閃光』でオーバーハウゼン国際短編映画祭エキュメニック賞、『GRANDMOTHER』でシネマ・ドゥ・レエル短編部門最優秀賞を受賞しモントリオール世界映画祭にも招待されたほか、長編ドキュメンタリー『NORIE』でヴィジョン・ドゥ・レエル長編部門特別賞を受賞するなど、国際的な映画祭で高い評価を獲得してきた。本作は自身初の長編実写作品となる。

 プロデューサーには、カンヌ国際映画祭監督週間に安藤サクラ出演の韓国映画『DORA』、『La libertad doble』を送り出したルクセンブルクのジル・シャニアル、仏日合作テレビシリーズ企画『Tokyo Crush』でSeries Mania Forum 2025 最優秀賞を受賞した日本の小田寛子らが名を連ねる。

 本作は8月30日にクランクイン。京丹後市や舞鶴市に残る古き良き漁村の風景をロケーションに選び、地元の協力のもと物語の舞台となる1960年代の舳倉島を再現している。また、輪島の海女漁保存振興会の全面協力のもと、輪島の海女たちが実際に潜る海での水中撮影も実施予定だ。公開は2027年を目指しているという。

コメント

藤野涼子(平野渚役)

本作は日本と海外との合作ということで、言語もそれぞれに異なる海外クルーが集まりました。
ひとつのシーンに言語の壁を越えて全員が集中して取り組んでいる姿を見て、私も、この美しい海と景色が広がる中でこのチームと作品に向き合っていけるのかと思い、胸が高鳴りました。言葉が通じなくても、一つの作品を作るという思いを共有することで、みんなのエネルギーが一つに集まり、よりパワフルになっていく感覚があります。スタッフ、キャストみんなで力を合わせて、素晴らしい作品を作っていきたいと思います。

尾野真千子(舟冨梢役)

海女という今失われつつある文化、今後残していって欲しい、後世に語り継がれていって欲しいといういろんな思いがあり、この台本を読んだときに、これはやらなければいけない、伝えていかなければいけないと思いました。
その昔、こういうことをして私たちの生活は支えられていたと、いろんなことを伝えていかなければいけないなと感じた脚本でした。私にとってこの作品はちょっとした使命という感覚で、尚且つ自分も楽しみながら、色々教えてもらいながらこの作品に挑みたいと思いました。

河村勇樹(監督)

原作『海女』を読んだとき、初めて舳倉島の海女たちのことを知りました。
海とともに生きる女性たちの強さ、そして互いを支え合う女性共同体の連帯。その姿を、主人公・渚の視点を通してどのように描いていくのか。海女たちの息遣いや島の匂い、海での漁の緊張感まで、リアルにスクリーンに立ち上げることが、この映画をつくる上で大切だと感じています。素晴らしいキャスト、豊かな自然に囲まれたロケーション、そして国際色豊かなスタッフに恵まれ、これから撮影が始まります。
この場所で、この人たちと、この物語がどのような映画になっていくのか。まだ見ぬ景色に出会えることを楽しみにしながら、一つひとつの瞬間を大切に撮影していきたいと思います。

ジル・シャニアル(フランスプロデューサー)

河村勇樹監督と私たちは、フランスのグラフィックノベルから生まれたこの物語が、日本でついに映画として動き出すことを、とても嬉しく思っています。共同製作会社である フラッグとFilm Fund Luxembourg、文化芸術活動基盤強化基金(Japan Creator Support Fund)をはじめ、多くの皆さまの力に支えられ、この作品を実現できることを心から光栄に思います。
藤野涼子さん、尾野真千子さんをはじめ、経験豊かで才能あふれる日本のキャストの皆さんとこの作品を作れることを、私たちは大変嬉しく思っています。
日本の物語に、ほんの少しの「フレンチ・タッチ」を添えながら、海女たちが受け継いできた文化や精神、そして彼女たちの物語を、いま大きな変化の中にある世界へ届けられたらと願っています。

小田寛子(日本プロデューサー)

母と娘、姉妹、叔母と姪――さまざまな関係で結ばれた女性たちと、世代を超えて受け継がれていく思いや生き方を描く物語に惹かれ、この作品への参加を決めました。
各撮影地の皆さまをはじめ、本当に多くの方々に支えていただき、ようやく撮影開始を迎えられたことを感慨深く思います。
準備を進める中で輪島の海女の皆さんに何度もお会いし、仕事への誇りと、気さくでユーモアにあふれたパワフルな人柄に、どんどん惹かれていきました。海女たちの魅力が、世代も個性も異なる素晴らしいキャストの皆さんを通してどのように表現され、藤野さん演じる渚の目にどう映るのか。そこに世界各国から集まったクルーの感性が加わることで、どのような化学反応が生まれるのか、とても楽しみにしています。

『Ama:Le souffle des femmes』@Editions Sarbacane

■公開情報
『AMA(仮題)』
2027年公開予定
出演:藤野涼子、尾野真千子
監督:河村勇樹
脚本:ラファエル・デプレシャン、河村勇樹、狗飼恭子
原作:フランク・マンガン作、セシル・ベック画『Ama:Le souffle des femmes』
プロデューサー:ジル・シャニアル、小田寛子、クレマン・デュボワン、マリカ・ストッキ
製作国:ルクセンブルク、日本、フランス、イタリア
製作:Les Films Fauves、株式会社フラッグ、Good Fortune Films、Rosamont S.R.L.
協力:輪島フィルムコミッション、輪島の海女漁保存振興会、京丹後フィルムコミッション、舞鶴フィルムコミッション

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