『VIVANT』“最強チーム”結成でいよいよ総力戦 “新庄”竜星涼生還で奪還作戦は最高潮へ

「では訓練を開始しましょう」

 9月13日に放送された『VIVANT』(TBS系)第18話では、黒須(松坂桃李)たち別班員の奪還に向けて、乃木(堺雅人)がノコル(二宮和也)と最強チームを結成した。

 シャキ城にとらわれの身となった別班員5名に対して、司令部はさらなる別班員の拿捕と機密漏洩を防ぐため毒殺を決定。悩んだ末に受け入れた乃木だったが、長野(小日向文世)から再考を促される。組織のルールを逸脱せずに黒須たちを救出するため、乃木は櫻井(キムラ緑子)の了承を得て、ノコル(二宮和也)ら仲間たちに声をかける。テントの軍事組織「Y2K」と現地別班員とエージェント、頼れる助っ人を引き連れて奪還作戦が発動した。

 観終わってさまざまな感慨が去来する中で、感想を一言で述べるなら「いくらなんでもやりすぎ」である。今作が男の子気質のロマンを全部乗せた「ハンバーグカツ丼カレー焼肉ラーメンセット(山盛り)」のわかりやすい作品であることは知っていたが、「大作戦!」という単語がここまで似合う展開を目にするとは思わなかった。

 行けるところまで行く気の制作陣は、まずこの作戦のために「ぼくの考えた最強チーム」を結集する。といっても乃木とノコルなのだが、これがかなり強力だ。まずは別班サイド。組織からの正式参加は乃木1人だが、有志が非公式に協力する。コーカサス担当の別班員・田代久美子(レイヤマダ)は乃木と現地で接触し、ゴルバドとシャキ城の情報を提供。長野が派遣したゲルン(Pattarapol Kantapoj)は実行部隊を統率する。

 テント側はノコル指揮下にY2Kが温存されているのが大きい。ベキ(役所広司)とバトラカ(林泰文)の没後も、シチ(井上肇)とマタ(内村遥)の中堅メンバーが健在で、アリ(山中崇)もノコルをサポートするなど、テントの態勢は盤石。ベキが作った孤児院で育ち、ベキの息子のためなら命を投げ出す覚悟の11名はロシア語の「ウラー!」を唱和して見るからに精悍である。さらに、そこに驚きの人物が加わる。

 チョッキー(Tanapak Jongjaiphar)がいた時点で「もしや」と思っていたのだが、呼ばれて出てきたのが元公安の敏腕捜査官だったときは一瞬目を疑った。新庄浩太郎(竜星涼)の生存は、当コラムだけでなく多くの場所でまことしやかにささやかれてていた。他方で、今作の人気・裏コンテンツ『悪役会議室』に天使の輪をつけた竜星がゲストで登場し、新庄の死亡を明言するなど、ファンの願いは届かなかったとも思われた。

 考察班の予想通り、銃撃前にゲルンに顔型を取られ、樹脂の残りが顔についていた新庄は、別班特注の全身防弾スーツを着てハチの巣にされたものの、事前の命令で顔は狙われず無事生存。別の死体を新庄に偽装し、本人はベトナムに潜伏して療養していた。聖書の一節ではないが、天もとい別班は乗り越えられる試練を与えたのだった。

 新庄ファンの筆者も驚喜しつつ、地球上で新庄の生存を一番喜んでいたいのは言うまでもなくチョッキーである。同時通訳で声を吹き替えられても、その喜びはダイレクトに伝わってきた。この後チョッキーは秘めたポテンシャルを発揮するのだが、これは最愛の人と再会できた歓喜の舞だった可能性がある。

 新庄について、そもそも「新ちゃん」ではなく「浩ちゃん」ではないかという素朴な疑問は置いて、福澤克雄監督の「チョッキー、これで終わりなわけないじゃん」のコメントは、間接的に新庄に続きがあることを意味していた。スパイドラマに裏切りはつきものだが、展開で翻弄しても最終的に視聴者は裏切らない。それが『VIVANT』である。

 役者はそろった。生還した新庄と、ピヨ(吉原光夫)仕込みの狙撃技術を携えたノコル、チョッキーも赤外線スペシャリストとしてシャキ城に乗り込む。“別班レディ”田代が後方支援を担い、ブルー・ウォーカー”太田梨歩(花岡すみれ)と東条(濱田岳)も現地要員として参加する。ミッションを遂行しながら、状況に応じて臨機応変に手札を繰り出せる陣容だ。毒殺決行のタイムリミットは6月10日18時であり、作戦開始は8日23時となる。

 救出を待つのは黒須ら5名のほかに、野崎(阿部寛)とドラム(富栄ドラム)も脱出の機会をうかがう。あり余るドラムの体力が鍵を握るだろう。その野崎は“フードロスニキ”のシン(髙﨑俊吾)によって食事も水も与えられず、生死の境をさまよっていた。そこにリュウ(堺雅人)が現れ、救いの手を差し出すが、それはリュウの計略だった。マインドコントロールによって愛する人を支配したいという欲望と日本への復讐。やはりリュウは相当ねじれている。

 救出の予行演習は、ドラマ美術班が制作したと思われるモックアップと解説映像の組み合わせによって、想像の範ちゅうにとどまらない臨場感のあるシーンとなった。やろうとしていることは壮大な鬼ごっこと同じだが、休止期間を前に期待値はすでにマックス。制作陣の術中に心地よくハマりながら、私たちは3週間後の放送再開を待つことになる。

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』第2シーズン
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、山中崇、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、内野謙太、花岡すみれ、本間さえ、二宮和也、井上順、林遣都、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、宮下今日子、Tanapak Jongjaiphar、濱田岳、坂東彌十郎、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李
原作・演出・プロデュース:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/
公式X(旧Twitter):@TBS_VIVANT
公式Instagram:tbs_vivant
公式TikTok:vivant_tbs

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