『名探偵コナン』松田陣平の“本命”は誰なのか? 佐藤刑事&萩原千速との恋模様を整理
では松田にとって千速はどんな存在だったのだろうか。一言でいえば、“初恋の相手”というのがふさわしいだろう。
たとえば2020年発売の『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』上巻のQ&Aコーナーで、読者が松田の初恋相手を尋ねたところ、原作者・青山剛昌は「小学生の頃。萩原の姉ちゃんに一目惚れ(笑)」とはっきり答えていた。
とはいえ、その初恋はたんなる“憧れ”で終わったわけではなく、松田は千速に猛烈なアプローチを仕掛けていたようだ。原作の第1156話「指輪を見つける魔法」では、高校時代の松田が何度も千速に告白していたことが明かされている。さらに『ハイウェイの堕天使』の回想シーンでも、「ウエディングドレスを着た千速をお姫様抱っこするのは俺だ」といったセリフで横溝重悟を威嚇する松田の姿が描かれていた。
また千速側からの証言としては、第1115話、第1116話の「千速と重悟の婚活パーティー」が挙げられる。そこで千速は松田を思い浮かべながら、「口が悪くて態度もデカく、こうと決めたら後先考えずに突っ走る、傍若無人を絵に描いたような男……そんな馬鹿に惚れられたことはあったな」と語っていた。
こうして比べてみると、松田はまさしく千速に“ぞっこん”だったようにも見える。しかしそこにどこか初々しさや青臭さが感じられることも確かだろう。当時の松田がまだ若かったからこそ、その想いは情熱的に燃え上がったのかもしれない。
それに対して松田が佐藤に向けていた感情は、恋かどうかも曖昧なままだった。とはいえ松田が佐藤と出会ったのは、親友の復讐に生きることを決意したあとのことだ。恋愛にうつつを抜かしているヒマはないという意識から、自分の心に鍵をかけていた可能性は十分ある。むしろ自分の気持ちを押し殺そうとしていた松田が、最期にポロっと佐藤への想いを垣間見せてしまったというところが、2人の関係のもっとも重要なポイントなのではないだろうか。
そもそも2人の過ごした時間はあまりにも短かった。もし爆弾事件の犠牲にならず、生き延びていれば、もっと関係が進展していた可能性は高いはずだ。
若い頃に情熱的に愛した初恋相手の千速と、大人になり復讐に生きるようになった後に惹かれてしまった佐藤……。松田は2人にそれぞれ別の形で向き合っていたものと思われる。だとすれば、どちらが“本命”だったのかと問うのはナンセンスだと言うべきかもしれない。
これから新たな関係性が生まれることがないのは残念だが、回想シーンで新たな描写が追加される可能性はあり得るだろう。松田というキャラクターをより深く理解するためにも、今後の展開に期待したいところだ。
■公開情報
『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』
全国公開中
キャスト:高山みなみ(江戸川コナン役)、山崎和佳奈(毛利蘭役)、小山力也(毛利小五郎役)、沢城みゆき(萩原千速役)、三木眞一郎(萩原研二役)、神奈延年(松田陣平役)
スペシャルゲスト:横浜流星、畑芽育
原作:青山剛昌
監督:蓮井隆弘
脚本:大倉崇裕
音楽:菅野祐悟
主題歌:MISIA「ラストダンスあなたと」(Sony Music Labels Inc.)
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
製作:小学館/読売テレビ/日本テレビ/ShoPro/東宝/トムス・エンタテインメント
配給:東宝
©2026 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会