加藤小夏、『SILENT HILL f』から実力派俳優へ ゲーム実況がもたらした素顔とのギャップ

 世界的人気を誇るホラーゲームシリーズ『サイレントヒル/SILENT HILL』(コナミ)。2025年9月に発売されたシリーズの完全新作『SILENT HILL f』は、1960年代の日本を舞台とし、大きな話題を集めている。

世界を震撼させた『SILENT HILL f』の“中の人”

SILENT HILL f | ストーリートレーラー (4K: JA/CERO) | KONAMI

 その主人公の少女・清水雛子のモデルとなり、フェイシャルおよびモーションアクターを務めたのが加藤小夏だ。

 霧に包まれ、さまざまな怪物が登場する異界と化した山合いの町で、和製ホラー特有の不気味な風習を背景に鬼気迫る戦いを繰り広げる雛子。加藤の体当たりな演技は、本人が「気が触れてしまいそうな日もありました」と語っているほどで、その生々しい感情表現が作品の世界観に見事にマッチし、プレイヤーの恐怖心を大きく駆り立てた。

 その熱演が高く評価され、アメリカの「The Game Awards」ベストパフォーマンス部門にノミネートされたほか、ホラーゲーム専門の「The Horror Game Awards」ではベストパフォーマンス賞を獲得。国内の「ファミ通・電撃ゲームアワード2025」でもボイスアクター部門最優秀賞を受賞するなど、彼女はゲームアクターとして世界的にその名を轟かせている。

 これまでも加藤は、「ポカリスエット」のCMをはじめ、桂正和原作のドラマ『I’s』(スカパー!)の4人目のヒロイン役、『取り立て屋ハニーズ』(ひかりTV)でのトリプル主演、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』への出演などで、着実に実力と知名度を高めてきた。2024年には『I’s』と同じ桂正和原作のドラマ『ウイングマン』(テレ東系)でヒロイン・アオイ役を好演。俳優として注目を集める中、ゲームの世界でさらなる飛躍を遂げたかたちだ。

YouTube実況配信で見せた、等身大の素顔とのギャップ

SILENT HILL f #1 加藤小夏

 しかし、『SILENT HILL f』における加藤の人気を爆発させたのは、ゲーム本編での活躍だけではない。

 「SILENT HILL f を本人がやります」と銘打った、自身のYouTubeチャンネルでのゲーム実況配信が大きな反響を呼んでいるのだ。主人公の“中の人”でありながら、ホラーゲームに悲鳴を上げる等身大のリアクションと、普段のクールな印象とのギャップが視聴者を魅了。コメント欄で視聴者からアドバイスをもらいながら気さくにやり取りをする親近感と、時折見せる“雛子本人”としての裏話的な要素が、ファンにはたまらない「お得感」を生んでいる。

 作品の世界的な人気も手伝って海外からの視聴者も多く、現在はチャンネル登録者数が44万人を突破するほどの人気ぶりを見せている。

 近年、プロゲーマーの実況とは異なるアプローチで、ゲーム配信を通じて人気を拡大している俳優やタレントは数多く存在する。

 その代表格が本田翼だろう。彼女は以前からゲーム好きを公言していたが、実況配信で見せたその“ガチっぷり”がゲームファンの心を掴んだ。持ち前の気さくなキャラクターと、知名度にあぐらをかかない本気度の高いプレイが、「単なる遊びではない」と高く評価された。

 Hey! Say! JUMPの山田涼介も同様だ。もともとプライベートでオンラインゲームをやり込み、大会のランキング上位に食い込むほどの実力を持っていた彼は、「LEO」と名乗ってゲーム配信チャンネル「LEOの遊び場」を開設。芸能界の枠を超え、ゲーム界の配信者たちと交流しながら、一人のプレイヤーとしての確固たる地位と人気を獲得している。

 また、ゲーム実況での“ポンコツぶり”が日頃のキャラクターと見事にリンクし、絶大な支持を得ているのが狩野英孝だ。予想外のハプニングを引き起こす奇跡的なプレイは、タレントとしての彼の魅力をさらに増幅させ、多くの視聴者を惹きつけてやまない。

 俳優やタレントによるゲーム配信が人気ジャンルとして定着する中、「主人公本人による実況プレイ」というかつてないレア感が、加藤小夏という存在をゲームファンの間にしっかりと根付かせたといえる。実際、今回の配信をきっかけに「『ウイングマン』のアオイか!」「『鎌倉殿』の千世だったのか!」と、過去の出演作と彼女の顔が結びつき、驚く視聴者も多く見られた。

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