『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の立役者 ライアン・ゴズリングのハンサムオーラの凄み

 観終わったあとに頭がよくなって、しかもライアン・ゴズリングになれた気がします。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(2026年)は、そういう映画です。

 いきなり混乱させてしまうが、これは本音だ。優れたアクション映画は、観終わったあとに自分も強くなったような気分になるもの。ヤクザやヤンキーが主役のアウトロー映画を観たあとに、ちょっとだけ肩を怒らせて歩いた経験がある人も多いのではないか。これはそれだけ映画に夢中になったこと、そして登場人物に深く感情移入しつつ、同時にカッコいいと憧れた証しである。そして『プロジェクト・ヘイル・メアリー』もそういう魅力がある映画なのだ。

 地球に危機が訪れ、問題を解決するために研究者が宇宙に飛んで、悪戦苦闘する。このシンプルなあらすじながら、本作は非常に面白い。地球を救う映画といえば『アルマゲドン』(1998年)という傑作があるが、あっちが気合とガッツと体力ならば、こっちは知恵と科学とトライ&エラー。次々と襲い来る難題に悪戦苦闘しながら、解決へと導いていく過程が文句なしに面白い。このリアルサウンド映画部で何年も記事を書いていて、初めてこの表現を使うが、知的好奇心をくすぐられる1本だ。私でも理解できたので、恐らく多くの人が楽しめるはずだろう。

 そして、この傑作の立役者が主人公グレースを演じた主演のライアン・ゴズリングである。本作は彼の凄みが十分に堪能できる1本だとも言えるだろう。

 ゴズリングの凄いところは、ものすごくハンサムであるにもかかわらず、そのハンサムオーラを自在に操ることができる点だ。その精度は『HUNTER×HUNTER』の念能力の如くであり、まったく消えることもあれば、一点に集約されることもある。ここまで精妙なハンサムオーラのコントロールができる人物はそうそういない(普通は0か100の両極端なものになる)。

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