『ばけばけ』で存在感を高めた4人の俳優 円井わん、濱正悟、杉田雷麟、野内まるの躍進
杉田雷麟(丈役)
杉田雷麟が演じたのは錦織友一の弟であり、ヘブン/八雲の教え子である丈。『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(2025年)などの強い作家性を持った作品から、『ガンニバル』シリーズ(ディズニープラス)といった刺激的な娯楽作品の軸にもなる杉田は、やはり「朝ドラ」にも適応してみせる。『ばけばけ』ではつねに物語の展開や、ほかの俳優たちの演技を支えるポジションを担い続けてきた。彼は主役も張ることのできる器の持ち主だが、作品の世界観に溶け込み、脇に徹することもできる。演じるうえでのポジショニングが正確なのだろう。それは丈の友人・正木清一を演じた日高由起刀も同じ。だから彼らが「熊本編」に登場することも、すんなりと受け入れられたのだ。
野内まる(ウメ役)
野内まるが演じるウメもまた、『ばけばけ』の世界になくてはならない存在だった。トキやヘブン/八雲がお世話になった旅館の女中であり、トキにさまざまな暮らしの手立てを教えた人物だ。野内は俳優としての活動をはじめてからまだ数年の若手俳優だが、現在は『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)でも主人公の友人役を好演中であり、『阿修羅のごとく』(2025年/Netflix)や日曜劇場『御上先生』(2025年/TBS系)などの話題作にも登場している。“期待の新人”の枠にいるのは明白で、今回の「朝ドラ」で示した快活さは、より多くの作り手たちの目に留まる契機となったはずだ。これから続いていくであろう彼女のキャリアにおいて、『ばけばけ』は重要な一作になるに違いない。
あるときには静かな、またあるときには大胆な、いくつもの俳優たちの演技が生まれる瞬間に立ち会うことができた。もちろん、ここで言及した4名の演技者たちの存在のみによって『ばけばけ』が成立しているわけではない。そのことは付記しておこうと思う。とはいうものの、3月30日から4夜連続で放送される『ばけばけ』のスピンオフ作品で主演を務めるのは、円井と野内である。このことがすでに、彼女たちの評価の高さを物語っているのはたしかだ。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK