トミーバストウの“老けメイク”は3時間! 『ばけばけ』が覆した朝ドラの“お約束”

 実は髙石をはじめとした女性陣にも、簡単な特殊メイクを実施。皮膚の上にシワができる素材を塗っており、笑った時には目尻や頬に自然とシワが寄るという。

 橋爪は「たとえば“20代の女優さんが80代をやる”といった“朝ドラ名物”みたいなものがありますが、僕は『80代には見えない』とずっと思っていて。朝ドラだから許されてきたことだと思いますが、“朝ドラだから許される”ということは、本来あるべきではないと思うんです。朝ドラじゃなくても、ちゃんと見てもらえるクオリティにしたい。チーフ演出の村橋とも、そう話していました」と、朝ドラならではの“お約束”に疑問を投げかける。

「特殊メイクをやらなさすぎて若く見えるのも嫌だし、ゴテゴテの特殊メイクで90歳ですよ、みたいに出てこられるのも嫌だし。それはやっぱり、物語にちゃんと入ってほしいという思いがあるからなんです。今回は『しっかりとその歳に見える特殊メイクをお願いしたい』ということで、江川さんのチームに3人体制でメイクしていただきました」

 特殊メイクを施すにあたり、キャストたちが事前にその技術を体験できる機会も設けたといい、「『おお、すごい!』と、一通りみんなで感動していました(笑)。特にトミーさんのメイクを見て、『リアルだね』『最近の技術ってすごいんだね』と感心していましたね。髙石さん自身もメイクをしているので、『こうするとシワが寄るの、すごいでしょ!?』なんて言いながら、盛り上がっていました」と振り返る。

 また、特殊メイクが芝居に与える影響についても触れ、「トミーさんが実年齢より20歳ほど、髙石さんも10歳以上年上の役を演じなければいけない。その中で、メイクが芝居の助けにはなったと思います。自分自身の姿が見えるわけではありませんが、(老けメイクをした)相手を見たときに、やっぱり芝居が変わってくるのではないでしょうか」と分析した。

 老いていくヘブンが切なく映るのは、そこに嘘っぽさがないから。細部まで行き届いた丁寧な仕事が、そのリアリティを支えている。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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