2025年は松村北斗の1年だった 日本アカデミー賞“W受賞”をドラマライターも絶賛
第49回日本アカデミー賞の話題賞の最終結果が2月20日に発表された。作品部門に『ファーストキス 1ST KISS』、俳優部門に『ファーストキス 1ST KISS』『秒速5センチメートル』に出演した松村北斗が選ばれた。松村のW受賞のような形となったが、2025年の活躍を振り返れば多くの人が納得できる結果だろう。
松村の演技はなぜここまで多くの人に支持されたのか。ドラマウォッチャーの明日菜子は、今回の発表について「納得の受賞」だと語る。
松村北斗、第49回日本アカデミー賞話題賞の俳優部門受賞 作品部門は『ファーストキス』
第49回日本アカデミー賞の話題賞の最終結果が発表され、作品部門を『ファーストキス 1ST KISS』、俳優部門を『ファーストキス…「2025年は松村北斗さんの1年だったといっても過言ではないですよね。松村さんのすごいところは、アイドルとしてのパブリックイメージがありながら、有名クリエイターが求める理想像を実現できるところです。ご本人は個性的でキャラクターも強いのに、お芝居ではどの作品にも柔軟に対応できる。『ファーストキス 1ST KISS』は坂元裕二脚本・塚原あゆ子監督作品で、さらに共演相手が“坂元作品のミューズ”的存在でもある松たか子さんですから、松村さんにとって大きな挑戦だったと思いますが、後半の展開は“松村さんに託したんだろうな”と感じるほどでした」
演技力もさることながら、本人のキャラクターも魅力的な松村。いわゆるアイドル俳優としてのイメージを覆すようなギャップが彼の魅力だという。
「松村さんにはどこか不思議な魅力があって、いわゆる“俺が俺が”と前に出るタイプではなく、どちらかというと“陰”よりなキャラなのではないかと。おそらく物事をじっくり考える人で、ファンの間では“5分で終わる話をその数倍かけて喋る”とも言われてますね(笑)。『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)で発表された今回の話題賞にちなんでいうと、『ファーストキス 1ST KISS』公開記念で放送された松さんとのトークも非常に盛り上がっていました。作品内では穏やかな好青年というイメージが強いけれど、松村さんは大の大泉洋さん好きで、アイデンティティを形成する時期に大泉洋関連コンテンツばかり摂取していたからか、どことなく大泉さんを感じるトークもおもしろい。日本を代表するアイドルながら親しみやすさを感じるというのは、SixTONESのメンバー全員に共通する魅力だと思います。何か映像作品で松村さんを知ってSixTONESにハマって、さらにご本人の人間性が表れるコンテンツに触れると、そのギャップで“沼る”人が多いのではないかなと。ニュートラルなキャラに思われるかもしれませんが、蓋を開けるとすごく個性的。その二段構えが、従来のアイドルファンだけではなく多くの人を惹きつけている理由かなと思います。今回投票で選ばれたということを考えても、いわゆる“ファン投票”による結果ではなくみんなが納得できるものになったと思いますし、ファンの垣根を超えて、映画が好きな人が選ぶ賞として納得できる結果ですよね」
こうした松村のパーソナリティは、実写版『秒速5センチメートル』を成功に導くうえで重要な要素になったとして、明日菜子はこう続けた。
「アニメ版の『秒速5センチメートル』は、女性としては、当時わからないところもありました。実写映画版では奥山由之監督が実写ならではのチューニングを施していて、主人公の独白を最小限にして、独りよがりな物語から脱却していたのが、大きなポイントだったと思います。原作のカラーは残しつつ、多くの人が共感できるバランスになっていました。その絶妙さが松村さんの演技も含めて成立していたと思います。松村さん本人の性格は、内向的な部分もそれなりにあると思うんですが、不思議とそれを大衆化できる演技の力があります」
今後、松村の活躍はどのように広がっていくのか。本人の希望も込めて明日菜子は語る。
「松村さんには今後もいろいろなジャンルの作品に出演してほしいです。すでに錚々たるクリエイターたちによる“ぼくたちの最高の松村北斗”を観ていますが、今シーズンのドラマでいうと、今泉力哉監督の『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系)に出演する松村さんも観てみたかった! 『ファーストキス 1ST KISS』での老けたお芝居もすごく自然で新しい一面を発揮していたので、いっそう役の幅が広がりそうです。インタビューやトークを聞く限り、松村さんはロジカルにものを考える人で、作品や役に対してすごく考えを巡らせて誠実に向き合っているのがわかります。日本を代表するクリエイターたちから求められ、同世代の俳優の中では間違いなく頭一つ抜けている存在だとは思いますが、ご本人は現状の自分に安住せず常に何かを模索している感じで、逆にその余白のようなものが、クリエイター魂をうずかせる要素の1つなのではないでしょうか。どんな作品にも染まれるし、日本代表級の有名クリエイターが何人も起用してきたのに、いまだに“新しい松村北斗が見たい”と思わせる貴重な存在だと思います。視聴者的にはあらゆる松村さんをすでに目にしている気がしますが、クリエイターたちの中ではまだまだ新しい“松村北斗”像があるんでしょうね」
2025年は多くの映画ファンに俳優としての力量を見せつけた松村。2026年はNetflixシリーズ『九条の大罪』への出演が決まっているが、どんな“新しい松村北斗”を見せてくれるのだろうか。