『DREAM STAGE』中村倫也が見出した“闇鍋”の可能性 “完璧”よりも“未完成”を愛したい

オンリーワンの旨味を引き出した「闇鍋SHOW」

 このステージを完成させるためには、NAZEの「未完成さ」は「可能性」なのだと、NAZE自身が実感することが最も大切だった。そのために吾妻が用意したのは、日本、韓国、タイの食材がごちゃ混ぜになった「闇鍋」。どんな味がするのか見当もつかないビジュアルだが、勇気を出して食べてみると、これが意外とイケる味。

 吾妻は「こうやっていろんな食材を組み合わせることで、世界中のどこにもない、この鍋にしかない味が生まれる。それぞれの特徴をうまくミックスすれば、もともとの素材だけでは出せない良さが生まれる。それが、お前たち7人でしか出せないオンリーワンの旨味だ。その旨味を引き出すために、料理人である俺がいる。俺の味付けで、お前たちの旨味はどんどん増していく!」と力説し、「どの食材が、どこの国のものかだなんて関係ない。誰かと自分を比べたり、真似をする必要もない。俺たちの力で、俺たちにしかない旨味を出す。大切なことは、それだけなんだ。みんなで、俺たちだけの鍋、作ろうぜ」と、ステージに向けて活気づけたのだった。

 対して、パク・ジスプロデューサーの「完璧に!」「ミスは許されない」というプレッシャーに晒され続けたTORINNERには、メンバー間で不協和音が生じ始めていた。リョウばかり目立つ今の体制をよく思わないヨヌが、パフォーマンス中に動きを妨げてミスを誘発する。だが、逆にヨヌ自身が足を痛めてしまうという事態に。リョウは咄嗟にヨヌの代わりに大技を決め、なんとかライブを成功させたが、その違和感はグループのなかに残り続ける。

吾妻の眼差しに感じた、誰もがまだ「未完成」だという愛情

 「完璧」であろうとするほど、ほころびが見えやすくなるもの。圧力が生み出す歪みを、吾妻は知っていたのだろう。そして、その歪みによって一番苦しめられるのは、ほかならぬメンバーであるということも。だから、パク・ジスプロデューサーがTORINNERを引き連れて姿を現したとき、「君もその子らも潰れないように気をつけな」と言ったのかもしれない。そう考えると、罠を仕掛ける側になってしまっていたことを謝るリョウに対して、「さすがユウヤの自慢の兄貴だ」と優しい声をかけたのも頷ける。吾妻から見れば、「完璧」と称されるリョウのなかにも、まだまだ「未完成」な可能性を見出しているのではないだろうか。

 「完璧」には、想定外の事態を許さない厳しさがある。一方で、吾妻が得意とするのは、むしろその「真逆」とも言える予想を裏切る発想の転換だ。その思いがけない展開があるからこそ、人は人を愛しく思い、ときめきにつながる。それは「闇鍋SHOWだ!」とウインクをしてみせた、吾妻自身にも言えることだ。

 最初は、あんなにもNAZEのプロデュースに対して非協力的だった吾妻が、第3話のラストではパク・ジスプロデューサーに対して「俺の仲間をバカにするやつは許さない。次やったらぶっ飛ばすぞ」と言い放つ。なんだかんだ言いながら、それほどNAZEに対して熱い思いを抱いていたのだということが、私たちの想像を上回った瞬間だった。厳しくも、愛しい。吾妻に対しても、そしてこのドラマ全体に対しても、そんな温かな感情が湧いてくるのは、誰もがまだ「未完成」であることを認め、そして共に成長していこうという「完璧」な愛に溢れているからかもしれない。

金曜ドラマ『DREAM STAGE』

業界を追放された日本人プロデューサーと韓国の落ちこぼれ練習生7人が、K-POPの世界でトップを目指す熱い絆の物語。

■放送情報
金曜ドラマ『DREAM STAGE』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:中村倫也、池田エライザ、ハ・ヨンス
【NAZE】カイセイ、ユンギ、アト、ターン、ユウヤ、キムゴン、ドヒョク
【TORINNER】岩瀬洋志、HOJIN(KAJA)、志賀李玖、松瀬太虹、ISAAC(KAJA)
森香澄、村瀬紗英、キム・ジェギョン、イ・イギョン
脚本:紗嶋涼、山浦雅大
企画プロデュース:高橋正尚
プロデュース:八木亜未(大映テレビ)
演出:松木彩、吉野主(SDP)、金澤友也(テレパック)
主題歌:NAZE「BABYBOO」(NICHION)
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/DREAMSTAGE_tbs
公式X(旧Twitter):@DREAMSTAGE_tbs
公式Instagram:DREAMSTAGE_tbs
公式TikTok:@DREAMSTAGE_tbs
公式LINE:https://page.line.me/dreamstage_tbs

関連記事