躍進続く“上白石姉妹”の強みは等身大のヒロイン像? 恋愛作品で示してきた存在感

 一方、姉の萌音は、恋愛作品の中心で“等身大のヒロイン像”を更新し続けてきた。ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)で演じた新人看護師・七瀬は、王道の胸キュン展開の中でも、ただ相手に振り回されるのではなく、自分の意志で向き合い続ける強さが支持を集めた。可憐な佇まいの内側に、簡単には折れない粘り強さがあり、その芯の強さが画面越しにも伝わってくる点に、萌音のヒロインとしての説得力がある。

『夜明けのすべて』©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会

 その後も萌音は、恋愛ジャンルの“型”を広げるような作品選びを重ねている。映画『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』では、少女漫画的な同居ラブの設定を背負いながらも、特別なヒロインとして振る舞うのではなく、普通の女の子の戸惑いや照れを無理なく積み上げていった。『夜明けのすべて』では、恋人でも友人でもない関係性を描く中で、PMSに揺れる藤沢美紗の感情を、過剰にドラマチックに強調するのではなく、日々の体調や気分の波として自然に表現する。さらに『35年目のラブレター』では、時代を生きる女性の若き日を、説明的なセリフに頼らず、表情や佇まいで語ってみせた。萌音の強みは、感情を大きく見せて引っ張るのではなく、そっと近くに置くように届けられることだ。だからこそ観る側は、役の気持ちを押しつけられるのではなく、自分の感情として受け止める余白を持てる。

 2人が演じてきたヒロインは、物語を力強く牽引したり、感情を前面に押し出して場面を支配したりするタイプではない。むしろ、相手の言葉や状況を受け止めながら、その瞬間に生まれる迷いと決断を丁寧に積み重ねていく存在だ。

 恋が実るかどうかよりも、心がどう動き、距離がどう変わるか。恋愛ジャンルは、その過程を描く面白さを広げている。上白石姉妹が体現してきたヒロイン像は、その変化をまっすぐ映し出しているように思う。2人は次にどんなヒロイン像を見せてくれるのか、楽しみだ。

パンダより恋が苦手な私たち

恋が苦手とされるパンダなど動物たちは、実は限られたチャンスを活かす「恋愛上級者」だった。動物の求愛行動から、常識に囚われる現代人がシンプルに幸せになるヒントを解き明かす。

■放送情報
『パンダより恋が苦手な私たち』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00~放送
出演:上白石萌歌、生田斗真、シシド・カフカ、仁村紗和、柄本時生、三浦獠太、片岡凜、佐々木美玲、佐々木史帆、髙松アロハ(超特急)、平山祐介、宮澤エマ、小雪、筧美和子
原作:瀬那和章『パンダより恋が苦手な私たち』(講談社文庫)
脚本:根本ノンジ
演出:鈴木勇馬、松田健斗、苗代祐史
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:藤森真実、白石香織(AX-ON)
音楽:MAYUKO
主題歌:生田斗真「スーパーロマンス」(Warner Music Japan)
制作協力:AX-ON
©日本テレビ
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