小林虎之介×伊東蒼、『宙わた』“同窓会”対談 『テミス』に感じた優しさと温かさ

『テミスの不確かな法廷』現場は「同窓会」のような安心感

――『宙わた』チームが手がける『テミスの不確かな法廷』に出演オファーをもらったときは、どんな心境でしたか?

伊東:素直に嬉しかったです。同じチームでの作品に再び参加させていただく経験は初めてだったので、スタッフの皆さんにお会いできることが楽しみでしたし、ちょっと緊張もありましたけど、ワクワクしました。

小林:僕もめっちゃ嬉しかったですね。最初はちょっと同窓会みたいな雰囲気で、「うわー懐かしい!」みたいな感じでした。それがまた心地よくて。『宙わた』のような良い作品を一緒に作れたっていう過去があるので、新しい現場でも何かあったらすぐ相談できるし、お互いの呼吸みたいなものも分かっているので、すごくやりやすかったです。

――第1話放送後、SNS上で小林さんの証言台での演技に称賛の声が上がっていましたが、伊東さんはご覧になっていかがでしたか?

伊東:虎之介くんが泣いてるシーンに胸を締め付けられました。役の苦しさがすごく伝わってきて、「やっぱり、すごいな」って思いました。

小林:ありがとうございます。こんなにすごい方から褒められると、恐縮しちゃいますね(笑)。

――『宙わた』から1年経って、小林さんがご自身の変化を感じた部分があれば教えてください。

小林:変わったことは特になかったかもしれないです。ただ、短期間だからこそ自分を追い込まなくちゃいけないなと思ったのと、やっぱり『宙わた』チームの皆さんに成長した姿を見せたくて、テスト段階から全力で演じていました。そしたら肝心のときに涙が枯れちゃって。松山さんが「そういうときはスポーツ飲料、飲んだ方がいいよ」って自動販売機で買ってきてくれたドリンクをガブ飲みしたら回復したんですけど、ちょっと空回っちゃいましたね(笑)。

――裁判のシーンは緊張感もありそうですもんね……。伊東さんが出演する第3話、第4話(1月27日放送)の撮影はいかがでしたか?

伊東:裁判のシーンは、弁護士や検察官、証人のやり取りがテンポよく進むので、その応酬を追うだけでも最初は大変で(笑)。物事の進み具合や心情の変化を自分の中で整理しながら、演じていました。でも、そのスピード感の中に身を置いていると、自然と自分も役の感情にどんどん引き込まれていく感じがありました。

松山ケンイチと窪田正孝の共通点

伊東蒼

――松山さんの座長ぶりはどのように感じられましたか?

小林:僕はすごく窪田さんに似ているなと思いました。松山さんも常に周りを見ていて、ご自身が画面に映らないシーンの撮影にもお付き合いしてくださるんですよ。窪田さんもそうだったなと。あと、おふたりとも一つのことをとことん突き詰めるタイプですよね。蒼ちゃん、松山さんのトマトジュース飲んだ?

伊東:え、飲んでないです!

小林:へぇ~飲んでないんだ~。

伊東:今なんか「勝った」みたいな感じを出された(笑)。

――(笑)。松山さんが育てたトマトのジュースですか?

小林:そうなんですよ。ご自身の畑から獲れたトマトを生搾りしたもので、すごく美味しかったです。窪田さんもすごく健康に気を遣われている方だから、そういうところも含めて似ている気がします

伊東:ボクシングもするっておっしゃっていましたよ、松山さん。

小林:窪田さんも『宙わた』の撮影現場で、シャドーボクシングしてたよね。よくアッパー打つんですよ(笑)。

伊東:懐かしい(笑)。松山さんも私が緊張していたら率先して輪に入れるようにしてくださって、すごく優しくしていただきました。

――おふたりは台本を読まれて、この物語のどういうところに魅力を感じましたか?

伊東:科学にしても法律にしても自分から学ぼうとしないと、なかなか普段は触れる機会がないじゃないですか。それを『宙わた』も『テミス』もすごく優しく紐解いて、身近に感じさせてくれるところが共通しているなと思いました。あとは主人公だけじゃなく、さまざまな立場のキャラクターが描かれていて、視聴者それぞれが一番感情移入しやすい人物を見つけながら楽しめる作品だと思います。

小林:僕はまだ1話しか知らないんですが、脚本がすごく読みやすくて面白かったんですよね。法廷ものってちょっとお堅いイメージがあったので、良い意味で裏切られました。第1話を観たら、また印象が変わって。法廷ものとしての面白さにこのチームならではの優しさと温かみが加わって、さらにはユニークな要素もちりばめられて、観終わって純粋にいい時間だったなと思う作品でした。

――小林さんは『恋は闇』や『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)など複数のドラマに出演されたり、伊東さんは映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』で第47回ヨコハマ映画祭の助演女優賞を受賞されたりと、『宙わた』からの1年はおふたりとも大活躍でした。最後に2026年の目標を教えていただけますか?

小林:2026年は「追いつけ、伊東蒼」で(笑)。

伊東:そんなありがたいテーマで、いいんですか(笑)。

小林:でも本当に冗談じゃなく、こんなにすごい人たちと一緒にお芝居させていただいてたんだなって改めて思う場面が多くて。やっぱり『宙わた』は自然とみんなの仲が深まるような作品だったから、今でも共演者の皆さんの動向が気になるんですよね。

伊東:それは分かります。私もよく現場で、他の俳優さんとお話してるときに「『宙わた』の岳人がすごく良かった。素敵だよね」って言葉をいただくことが多くて。その度に自分まで嬉しくなるし、自分も頑張ろうと思えますね。

――本当に、同じ学校の卒業生みたいですね。

小林:その感覚に近いですね。僕は春から初の朝ドラ『風、薫る』(NHK総合)でヒロインの幼なじみも演じさせていただくので、頑張りたいと思います!

■放送情報
ドラマ10『テミスの不確かな法廷』
NHK総合にて、毎週火曜22:00~22:45放送(全8回)
※毎週木曜24:35〜25:20再放送
NHK ONE(新NHKプラス)で同時・見逃し配信予定
出演:松山ケンイチ、鳴海唯、恒松祐里、山崎樹範、山田真歩、葉山奨之、小木茂光、入山法子、市川実日子、和久井映見、遠藤憲一 ほか
原作:直島翔『テミスの不確かな法廷』
脚本:浜田秀哉
音楽:jizue
演出:吉川久岳(ランプ)、山下和徳、相良健一、富澤昭文
制作統括:橋立聖史(ランプ)、神林伸太郎(NHKエンタープライズ)、渡辺悟(NHK)
写真提供=NHK

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