『わたなれ』ブームが追い風? 『対ありでした。』『淡島百景』など2026年注目の百合アニメ

『淡島百景』

 ほかにも2026年の百合アニメには話題作がいくつもある。王道の作品としては、4月から放送される予定の『淡島百景』は外せないだろう。

TV アニメ『淡島百景』第1弾PV【2026年4月TVアニメ放送開始】

 同作はTVアニメ化もされた百合マンガの金字塔『青い花』で知られる志村貴子の連作短編で、第19回「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞している。

 作中では舞台女優を夢見る少女たちが集まる淡島歌劇学校を舞台として、さまざまな登場人物を主人公とした群像劇が繰り広げられる。美しい感情だけではなく、複雑で重厚な関係性が紡ぎ出されていくのが大きな魅力だ。

 アニメ版では、『カードキャプターさくら』や『NANA』、『ちはやふる』、『俺物語!!』といった少女マンガを原作とした人気アニメを手掛けてきた浅香守生が監督を務めるため、繊細な心理描写に期待したい。

『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』

 同じく4月放送作品では、『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』も注目作。日本酒やワインなどいろいろなお酒が登場するグルメ系コメディのようでいて、実はかなり直球の百合作品となっている。

TVアニメ『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』コンセプトムービー

 大学1年生・上伊那ぼたんを中心として、同じ寮で暮らす先輩たちとの交流を描くストーリーなのだが、ここにスパイスを加えているのが“飲酒”の要素。お酒が入ることによって、登場人物たちが別の顔を見せるという作劇になっているのだ。たとえばぼたんは普段あどけない少女そのものだが、酔うと大胆に相手との距離を詰める一面がある。性格のギャップが生み出す魅力はもちろん、お酒をきっかけに関係性が変化していくという描写のユニークさも大きな見どころだ。

 そのほか放送時期がまだ明かされていないアニメ化作品としては、『魔法少女にあこがれて』の第2期や『きみが死ぬまで恋をしたい』といった作品も控えている。

 また、百合要素を作中に含むという広い括りなら、噺家の娘が落語の道を極めようとする『あかね噺』、フィギュアスケートに打ち込む少女たちの闘いを描く『メダリスト』の第2期、28年ぶりのぴえろ魔法少女シリーズ『魔法の姉妹ルルットリリィ』、いわゆる“きらら枠”の『一畳間まんきつ暮らし!』なども挙げられるだろう。

 一昔前には百合作品は人を選ぶため大ヒットは難しいとする意見もあったが、『わたなれ』の登場はそんな停滞を打ち破るようなインパクトがあった。2026年にさらなるムーブメントが巻き起こることを期待しよう。

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