timelesz 寺西拓人、声優初挑戦で向き合った“瞬発力”の芝居 「かなり刺激的でした」

 timeleszの寺西拓人が、劇場長編アニメーション『迷宮のしおり』で声優に初挑戦した。河森正治監督が「歌・SF・三角関係」という自身の三種の神器に、スマートフォン時代のあるあるを巧みに掛け合わせた本作で寺西が演じるのは、国際的に注目される若き起業家・架神傑。舞台とも映像とも異なる芝居に向き合いながら、「かなり刺激的でした」と手応えを語る寺西に、初挑戦の裏側と、本作が映し出すスマホ社会への実感を聞いた。

“恥ずかしさより、面白さのほうが強かった”収録現場

ーーそもそも普段からアニメはご覧になりますか?

寺西拓人(以下、寺西):アニメは好きです。詳しい方と比べたら全然かもしれませんが、昔からよく観ていました。河森監督の作品にも元々イメージがあって、今回のお話をいただいたときも「河森作品らしさ」はすぐに思い浮かびました。

ーー初めての本格的な声の演技ということで、プレッシャーもあったと思います。どのような準備をされましたか?

寺西:正直、何から練習していいか分からない状態でした。いわゆる発声練習のようなものも掴めていなかったので、「本番前に練習の時間をいただけませんか」とお願いして、教えていただきながら進めました。

ーー架神傑というキャラクターにも寺西さんの声がすごく合っていると感じました。具体的にはどのような練習を?

寺西:傑のセリフを使って、監督やスタッフさんとテストをするところから始まりました。まずは「このタイミングで入りましょう」など、本当に基本的なアドバイスをいただいて、試しに演じてみる。そこから「ここはもっとささやくように」「ここは相手を惑わせるニュアンスで」など、細かいディレクションを受けながら徐々にキャラクターを形にしていきました。あと驚いたのは、こんな短い日数で収録が終わるんだということ。舞台だと時間をかけて作るので、アフレコの瞬発力で応える感覚はかなり刺激的でした。その場で監督の指示にどう応えるか、初めての体験でしたね。

ーー収録中はどのような心境でしたか?

寺西:かなりの集中力が必要でしたが、何より楽しかったです。やったことのない表現への挑戦という楽しさもありましたし、アニメの場合は見た目が完全に自分じゃないので、役への没入感が強い。自分の声が画に当たる前の段階を観ても、恥ずかしさより「面白い」という気持ちの方が強かったです。

ーー声優経験のある先輩や同世代の役者さんに相談されたりしましたか?

寺西:具体的なアドバイスをいただいたわけではないのですが、舞台で共演していた役者さんの中に声優経験のある方がいて、その雰囲気は聞きました。「とにかく難しいよ」と言われて、逆に気が引き締まったというか。だからこそ、事前にきちんと練習させていただきたいという気持ちが強くなりました。

ーー完成した映像を観たとき、ご自身の声とキャラクターが一体となった印象はいかがでしたか?

寺西:後悔というわけではないですが、「もっとこうできたかも」という思いはありました。ただ、監督がすごく褒めてくださったので、それに甘えず、もっと挑戦したいという気持ちが強くなりました。

ーーバトルシーンはとても迫力がありました。

寺西:すごく楽しかったです。監督からは「もっと広い空間に響かせるように」といったディレクションがあって、自分が思っている以上に振り切る必要があり、新鮮でした。

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