『レゼ篇』戸谷菊之介に『メダリスト』大塚剛央も 2025年のアニメを支えた男性声優たち
2025年もさまざまな声優たちの演技が話題を呼んだアニメ業界。1人ひとりに目を向けるときりがないが、本稿ではあえてその中から5人の男性声優に絞って、今年の活躍ぶりを振り返っていきたい。
大塚剛央
まず取り上げたいのは、大塚剛央。2023年に『【推しの子】』のアクア役や『薬屋のひとりごと』の壬氏役で一躍大ブレイクを果たしてからというもの、実力派声優として着実に実績を残しているが、今年も注目に値する活躍を見せた。
とくに話題を呼んだのは、1月期に放送されたフィギュアスケートアニメ『メダリスト』での演技だ。同作で大塚が演じたのは主人公・結束いのりのコーチとなる明浦路司役で、作中での立ち位置は“もう1人の主人公”にあたる。
アクアや壬氏を筆頭として、どちらかといえばクールなキャラクターの印象がある大塚だが、司は完全に真逆と言える性格。重い過去を背負いながらもひたむきに明るく振る舞い、心を閉ざしていたいのりを導いていくという熱血コーチだ。熱いパッションに満ちた大塚の演技はまさにハマリ役だった。
今後、少年マンガを原作としたバトルアニメで“熱血主人公声優”として活躍する未来もありえるかもしれない。
戸谷菊之介
戸谷菊之介も華々しい活躍を見せていた声優の1人。『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)』や『不遇職【鑑定士】が実は最強だった』で主演を務めたほか、『青のミブロ』や『薫る花は凛と咲く』、『雨と君と』といった作品にも出演した。
そんな今年の戸谷を振り返るうえで、忘れてはならないのが劇場版『チェンソーマン レゼ篇』(以下、レゼ篇)の主人公・デンジ役だ。元々同作はTVアニメが2022年に放送され、そこでもハマり役と言われていたものの、いま振り返るとまだまだポテンシャルを秘めていたように思えてしまう。というのも『レゼ篇』では“120%”の演技を見せており、「デンジ本人」と言われるほどのシンクロ率に達しているからだ。
戸谷菊之介×楠木ともり、再びの共演で感じ合った刺激 「“これこれ!”みたいな気持ち」
「電ノコ悪魔、再来——」。 アニメ『チェンソーマン』が帰ってくる。9月19日から公開される劇場版で描かれるのは、原作ファンに…同作のデンジは、粗野な性格だがピュアで女性に弱いという“男の子”な一面がより強調されているが、戸谷の演技は誰もが認める完成度。なによりヒロイン・レゼ役の上田麗奈が凄まじい演技を披露しているため、並みの演技力では付いていくこともできなかったはずだ。未曽有の大ヒット作になった要因の1つとして、メインキャスト2人の演技が貢献していることは確かではないだろうか。
ちなみに2026年の戸谷は、すでに『花ざかりの君たちへ』の中津秀一役や『ハイスクール!奇面組』の物星大役などに内定している。さらに勢いを増してスター街道を駆け上がっていくかもしれない。