朝ドラでまさかの“金縛り”講習 『ばけばけ』トキ×ヘブン×錦織の関係性が急変化の予感
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第11週「ガンバレ、オジョウサマ。」では、リヨ(北香那)のプロポーズをきっかけに、ヘブン(トミー・バストウ)の過去が明らかになった。
頼みの綱の月70円、または同志として、司之介(岡部たかし)や勘右衛門(小日向文世)はリヨお嬢様を応援していたが、彼女の恋は儚く散ってしまった。噂をすればなんとやら。松野家に、応援のお礼にやって来たリヨは、トキ(髙石あかり)に「大変よ……先生を射止めるのは」と耳元で囁く。薄々気づいてはいるはずだが、まだ認められていないヘブンへの恋心。頑張れと応援していたはずが、今度はトキがリヨからアドバイスされていた。「先生は通りすがり」というその意図をトキはまだ知らずにいる。
そんな折、徹夜明けのヘブンが「アアッ!」と叫び声をあげて飛び起きた。金縛りだ。金縛りにあったことへの羨ましさの方が勝りながら、トキは金縛りを実演で説明する。「縛られちょる先生。金縛り先生」というキラーフレーズを盛り込みながら、ウメ(野内まる)の幽霊役も手伝って、ヘブンは金縛りを理解する。金縛りでヘブンが見たのは、幼き頃に生き別れとなった母親の姿。自身の過去に触れたことで、幼い頃の記憶が蘇ったのだ。登校時間が迫る中、もう一度布団を被るヘブン。夢をもう一度みたいと、再び眠りに就こうとする誰もが試みた光景でもある。
一方、錦織(吉沢亮)の表情が晴れない。江藤家でのパーティーにて「人と深く関わることはやめた」「ただの通りすがりの人間として、生きていくことにした」と話すヘブンの通訳をしながら、ヘブンにとって自分もまた通りすがりなのかと思い始めていたはずだ。不器用ながら、スキップやクイズ、正月の挨拶を通じて錦織は少しづつ“ヘブンさん”との距離を縮めてきたはずだった。しかし、ヘブンの中では「スバラシ……ツウヤク。スバラシ……オセワガカリ」。フレンドと言う言葉をどこかで期待していたはずの錦織の落胆の表情が切ない。
翌朝、再び金縛りを実践する徹夜のヘブンが見たのは、ヘブンの首を締める怒りの錦織。それほど錦織の怨念が強かったということか、それともヘブンが潜在的に錦織を恐れていたのか。ヘブンを迎えに来ず、授業にも現れなかった錦織の行動、心情をヘブンは理解することができなかった。
トキがいつヘブンの過去を知るのか、錦織との関係性は復活するのか。それぞれ気になるところではあるが、第12週「カイダン、ネガイマス。」ではついにヘブンが怪談と出会う。幽霊に関する金縛りだとすれば、素晴らしい前置きだろう。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK