2025年秋アニメに“アンドロイド少女”大量発生 ユウグレ、アルマちゃん、マリーなどの魅力
現在放送されている2025年秋アニメのラインナップを眺めると、“アンドロイド少女”の登場する作品が不思議なほど揃っていることに気づく。昔からアニメやマンガでは定番中の定番と言っていいモチーフだが、現代ではどんな表現と結びついているのだろうか。
本稿では『永久のユウグレ』と『アルマちゃんは家族になりたい』、『終末ツーリング』、『機械じかけのマリー』の4作品を取り上げ、その可能性を紹介していきたい。
ラブコメヒロインのようなアンドロイド……『永久のユウグレ』
最初に語りたいのは、P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ『永久のユウグレ』。約200年後の未来でコールドスリープから目覚めた少年・姫神アキラが、かつての恋人そっくりのアンドロイド・ユウグレと出会い、一緒に旅をしていくSFラブストーリーだ。
ユウグレは見た目こそ可憐な少女だが、第1話から銃を持った兵士たちを相手にビームサーベル1本で大立ち回り。さらには腕部を巨大なレールガンに変形させ、地形すら変わるほどの攻撃を放っていた。その後も人間相手に無双するシーンが度々描かれており、アンドロイドのなかでも戦闘力に特化したタイプだと思われる。
しかしその一方、“人間くさい”部分が色濃くあるのがユウグレの魅力だ。アキラにぞっこんなようで、出会ったそばから求婚。しかも作中世界では婚姻制度の代わりに「エルシー」という制度が使われているにもかかわらず、昔ながらの「結婚」をすることに強くこだわる。
さらに自身の恋愛感情を「比較対象がいないゆえの“勘違い”」だと言われてやけ酒をあおったり、アキラを嫉妬させるためにあえて別の男とのデートを画策したりと、ラブコメヒロインのような感情の動きを見せるのだった。
家族と川の字で眠ろうとするアンドロイド……『アルマちゃんは家族になりたい』
続いて取り上げたいのが、スタジオフラッド制作の『アルマちゃんは家族になりたい』。AI物理学者の神里エンジと、ロボット工学者の夜羽スズメという2人の天才によって作り出された少女型兵器・アルマを主人公とした物語だ。
アルマは「学習型自律戦闘ロボット」として作られており、実際に高い戦闘能力を持つ。しかしその性格は純粋で心優しく、自身に備わった機能を戦闘に使うことはほとんどない。使って飛んでいる蝶を捕まえたり、迷子の犬を探したりと、他愛のない使い方ばかりだ。
そして普段の振る舞いは人間の子どもに限りなく近く、起動した瞬間から人間の子どものように、エンジのことを「おとうさん」、スズメのことを「おかあさん」と呼ぶ。パジャマへの着替えをスズメに手伝ってもらったり、髪を結んでもらって喜んだりする姿は、なんとも微笑ましい。
さらに第1話では、エンジとスズメの寝ている布団のあいだに入り込み、川の字になって眠る場面も描かれていた。
その姿に最初は困惑していたエンジとスズメだが、日常生活を送るなかで徐々に愛情が芽生えていくことに。そして3人は普通の家族のような関係を作っていくのだった。