佐藤浩市が体現する“弱さ”という最強の武器 『ザ・ロイヤルファミリー』は新たな代表作に
『ザ・ロイヤルファミリー』では、妻の京子(黒木瞳)が耕造とは正反対の性格で、常識的で競馬を毛嫌いしている。長男の優太郎(小泉孝太郎)も常識人で利益優先。競馬に関しては、必要性を全く感じていない。そんな中、現れたのが耕造の隠し子の耕一(目黒蓮)だ。
耕一は今のところ耕造に反発しているが、大学では仲間と競馬の研究に夢中で、ロイヤルホープのことも当然、応援。座り方やちょっとした仕草までも会って話をしなくても似ている。というか、佐藤浩市の動きを目黒蓮がきちんと研究しているようで、耕造の情熱をかけた夢の継承は、耕一が担うのであろうと期待できる。
また、娘・百合子(関水渚)も耕造の良き理解者であり、騎手の佐木隆二郎(高杉真宙)とともに耕造の夢を引き継いでいくのだろう。耕造のライバル的存在の椎名善弘(沢村一樹)が耕造の魅力について「たくさんのものを背負っているからです。私は、たくさんの人の思いを引き受けている人が好きなんです」「それと、いつも楽しそうだった。何かを心から楽しんでいる人っていうのは、話しているとこちらの孤独感が癒えるんです」と、栗須に語った。
隠し子に夢を託そうとしている社長であり、妻や長男との確執など、男としてパーフェクトな善人ではなく、癖があり、問題も悩みも抱えた人間味のある複雑な思いがあるからこそ、佐藤浩市の深みのある演技が強い輝きを放つのだろう。今後、次世代にバトンが渡され、どんなかたちで耕造の夢が引き継がれていくのか。耕一の変化にも注目したい。
早見和真の同名小説をドラマ化。税理士としての挫折を味わい希望を見出せなくなってしまった主人公の人生が、馬主である山王耕造との出会いにより大きく動き出していく。
■放送情報
日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:妻夫木聡、目黒蓮、松本若菜、安藤政信、高杉真宙、津田健次郎、吉沢悠、木場勝己、尾美としのり、関水渚、長内映里香、秋山寛貴(ハナコ)、三浦綺羅、小泉孝太郎、黒木瞳、沢村一樹、佐藤浩市
原作:早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』(新潮文庫刊)
脚本:喜安浩平
演出:塚原あゆ子、松田礼人、府川亮介
主題歌:玉置浩二「ファンファーレ」
プロデュース:加藤章一
協力プロデュース:大河原美奈、小髙夏実
編成:佐藤礼子、中野翔貴
製作:TBSスパークル/TBS
©TBSスパークル/TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/RoyalFamily_tbs/
公式X(旧Twitter):@royalfamily_tbs
公式Instagram:royalfamily_tbs
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