染谷将太がラジオドラマ脚本・演出に初挑戦 オーディオドラマ『だまっていない』12月29日放送

 染谷将太がラジオドラマ脚本と演出に初挑戦した特集オーディオドラマ『だまっていない』が、NHK-FMにて12月29日22時5分より放送されることが決定した。

 本作は、主人公2人と異星人の時空を超えた戦いを描くタイムスリップSFドラマ。NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に喜多川歌麿役で出演している染谷が、制作統括 石村将太に「ラジオドラマをやってみたい」と話したことからプロジェクトがスタートし、異星人の足“音”、声の“音”、タイムスリップの“音”、主人公2人が異星人と戦う“音”など、音にこだわった作品が完成した。音楽は黒沢清監督作『Chime』や『Cloud クラウド』、山中瑶子監督作『ナミビアの砂漠』などの音楽を手がけた渡邊琢磨が担当する。

 染谷は「音だけの表現は想像を超える難易度と面白味がありました。それをスタッフ、キャストの皆様に沢山助けて頂き形にすることができました」と感謝を述べ、作品について「その形を目で見ることは出来ないのですが、耳から目にして頂くことで、あなたにしか見えない景色が広がるはずです」と語った。

 人間の姿に擬態して、地球に溶け込んで生きている目的不明・正体不明の異星人“トーカー”。悠吾と咲恵はその「監視員」を仕事にしていた。ある日、いつものように、監視のため2人はトーカーが住み着いているポイントの団地に向かう。すると、いままで一体しか見かけなかったはずのトーカーが、この日は、2体いることが判明する。複数のトーカーを目撃したのは初めてという事態に、2人は恐る恐る、トーカーの潜む部屋に近づいていく。しかし見つかってしまい、その場から逃げようとするが、トーカーの攻撃によって2人は別々の時代へ飛ばされてしまう。タイムスリップした時代で、悠吾と咲恵が互いに目にしたものは、驚くべき光景だった。

 監視員として働く主人公の悠吾と咲恵を、渡辺大知と菊地凛子がそれぞれ演じるほか、『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK総合)などの川瀬陽太、NHK連続テレビ小説『あんぱん』にも出演した声優の津田健次郎が出演する。

染谷将太(作・演出)コメント

以前からずっと、音だけで物語を届けてみたい、音だけで映像や匂いや触感を表現したいという静かな野望がありました。そしてこの度は有難く、特集オーディオドラマという形で作・演出をさせて頂く機会を頂戴しました。演技をする時も、ショートフィルムの監督する時も、私は音を大切にしているなと考えておりました。
ですがやはり、音だけの表現は想像を超える難易度と面白味がありました。それをスタッフ、キャストの皆様に沢山助けて頂き形にすることができました。その形を目で見ることは出来ないのですが、耳から目にして頂くことで、あなたにしか見えない景色が広がるはずで
す。これは非現実的なストーリーであります。いわゆるSFというやつです。掴みずらい表現から現実を眺めることで、唯一無二な想像をリスナーの皆様がして、皆様にしか見えないストーリーを感じて、これを聴いたら、“だまってはいられない”と思って頂けたら幸いです。

渡辺大知(悠吾役)コメント

収録を終えての感想

染谷くんの脳内にあるものを、みんなで一緒に旅してるような気持ちになって、その旅がとても心地よかったです。音でしか表現できない分、共演者の皆さんとイメージを共有することがすごく重要だったというか、同じ景色が浮かんでるかどうかわからないですけど、今回この作品に出演された皆さんとも、細かいところまで話しながら、同じ世界にいるのかなって思える瞬間がいくつもあって、それがすごく心地いい時間でした。

視聴者へのメッセージ

この作品は、オーディオドラマなので、頭で想像しながら楽しんでもらえるものになってると思うんですけど本当に正解はなくて、1人1人が感じたことが正解だと思うので、自分の中の想像力を存分に楽しんでいただいて、聴いて頂いた人の中で、どんどん広がっていってもらえたら嬉しいです。

菊地凛子(咲恵役)コメント

収録を終えての感想

若い頃にラジオドラマを経験した思い出があって、またこうして、違う形で関わることができたのは大変光栄ですし、若い頃に思っていた、空間を音で埋めていく作業を、今回より深く理解できました。声の中に空気感や距離感を含ませていく、声にのせていく感覚は、役者だけれども、いつもと違う種類の仕事のような感じでした。染谷さんが演出で、私が役者としての関わり方も初めてで、すごく新鮮で、十分に楽しめました。

視聴者へのメッセージ

オーディオドラマでしかできないような、音を奏でていくことによって、異星人に反撃していく。音が武器となっていくのは、オーディオドラマならではの取り組みかなと思っていて、音が繋がっていく、紡がれていく、強くなっていく...武器になるところが今回の作品の魅力なので、是非そこも楽しんで頂きたいです。

川瀬陽太(佐々木役)コメント

収録を終えての感想

染谷くんとは、彼の自主制作映画でもご一緒させて頂いたこともあり、共演させて頂いた渡辺大知さんや、菊地凛子さんもよく知っている皆さんだったので、非常にやりやすい形で演技ができました。俳優・染谷将太さんが、演出する立場になっても、とても仕事がしやすく、普段と変わりなく、楽しい収録でした。

視聴者へのメッセージ

このオーディオドラマは、ちょっとした今の時代の空気みたいなものがベースにある作品です。なので、できましたら、何度でも聞き返していただけたら嬉しいです。

津田健次郎(木村役)コメント

収録を終えての感想

非常にオリジナリティーの高い、様々な要素の入った面白い本で、とても興味深いですし、共演した皆さんも本当に素敵な方で、個性の強い皆さんとご一緒できてとても楽しかったです。何より、染谷さんが声掛けしてくださったことが本当嬉しくて、もうそれだけで“即、出ます!”って。独特な面白さで深みのある本で、僕は普段声の仕事をしますが、オーディオドラマはなかなかご縁がなく、実際やってみて面白かったです。

視聴者へのメッセージ

すごく面白い作品なので、ぜひ多くの人に聴いて頂きたいですし、皆さんの感想をぜひ聞いてみたいと思います。異色のオーディオドラマで染谷さん作・演出という非常に意欲的な作品で、普段ラジオを中々作らない人たちで作っています。是非リアルタイムで聴いて頂き、SNS、友達、ご近所さん、ご家族にも広めていただけたら嬉しいです。何よりもまずは聴いて頂きたいです!

制作統括 石村将太 コメント

『べらぼう』の収録期間中、染谷さんからラジオドラマをやってみたいという話があり、動き出したこのプロジェクト。春頃から収録の前後、合間をぬってなど...歌麿を演じながら、頭の中はどうなっているのか? と驚かされながらも俳優ではない、脚本・演出担当としての染谷さんと一緒に作ってきました。映像の世界でご活躍されている方だからこそ“音”へのこだわりがより強い作品となっています。年の瀬に是非、ご視聴下さい!

音楽を担当する渡邊琢磨

■放送情報
特集オーディオドラマ『だまっていない』
NHK-FMにて、12月29日(月)22:05~22:55放送
出演:渡辺大知、菊地凛子、川瀬陽太、津田健次郎
スペシャルサンクス:べらぼう演出・制作部の皆さん、鈴木奈穂子アナウンサー
作・演出:染谷将太
音楽:渡邊琢磨
制作統括:石村将太
技術:奥村玲子
音響効果:岸優美子
写真提供=NHK

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