河瀨直美監督『たしかにあった幻』に尾野真千子、北村一輝ら出演 2種のメインビジュアルも
2026年2月6日に全国公開される河瀨直美監督の新作映画『たしかにあった幻』の追加キャストとして、尾野真千子、北村一輝、永瀬正敏、中野翠咲、中村旺士郎、岡本玲、松尾翠、早織、小島聖、平原テツ、利重剛、中嶋朋子の出演が発表。あわせて2種のメインビジュアルが公開された。
第78回ロカルノ国際映画祭でワールドプレミア上映された本作は、小児臓器移植実施施設を舞台に、命のともしびを照らす“愛”の物語。フランスからやってきたレシピエント移植コーディネーターのコリーが、脳死ドナーの家族や臓器提供を待つ少年少女とその家族と関わりながら命の尊さと向き合うと同時に、突然失踪した恋人の行方を追う姿を通じて、愛と喪失、希望を描く。
本作の撮影は兵庫、大阪、奈良、岐阜、屋久島、パリで行われた。小児臓器移植に携わる実際の医療関係者たちが出演するディスカッションや移植手術のシーンなど、ドキュメンタリー要素をドラマの中に巧みに取り入れている。撮影には、河瀨監督と『光』、『Vision』でタッグを組んだ写真家の百々新とドキュメンタリー『東京2020 オリンピック』の撮影統括を担当した鈴木雅也が参加した。
音楽は本作が初の映画音楽となる、パリを拠点とするピアニスト/作曲家の中野公揮が手がけ、編集は『殯の森』以降これまでの河瀨監督の劇映画全てを手がけてきたティナ・バスが担当した。
主人公・コリーを演じるのは、『ファントム・スレッド』(2017年)のヴィッキー・クリープス。コリーの恋人であり、突然失踪する迅を、『グランメゾン東京』(TBS系)、『鎌倉殿の13人』(NHK総合)などの寛一郎が演じる。
『萌の朱雀』で河瀨監督に見出された尾野は、最愛の息子を失い、一周忌を迎えた今も罪悪感に苛まれるめぐみを演じる。河瀨監督の短編『狛-Koma』や『主人公は君だ!』に出演してきた北村は、元捜査一課の刑事であり、とある事件をきっかけに現在は弁当屋として過ごす亮二役を担当。そして、心臓病を患う少年・久志役を中村、小児病棟に入院中の少女・瞳役を中野という河瀨監督がオーディションで見出した2人がそれぞれ務める。
そのほか、ドナーとなる少年の父親を近年の河瀨作品に欠かせない永瀬、母親を早織、久志の母親・由美を岡本、瞳の母親・裕子を松尾、人手不足が深刻な移植コーディネーターの浜野を小島、臓器移植医療を担当する小児科医・平坂を平原、迅の父親・英三を利重、母親・幸江を中嶋がそれぞれ演じる。
フランスから来日したコリー(ヴィッキー・クリープス)は、神戸の臓器移植医療センターで働きながら、小児移植医療の促進に取り組んでいたが、西欧とは異なる日本の死生観や倫理観の壁は思った以上に厚く、医療現場の体制の改善や意識改革は困難でもどかしい思いを抱えていた。そんなコリーの心の支えは、屋久島で運命的に出会った恋人の迅(寛一郎)だったが、彼の誕生日でもある7月7日の七夕に突然、姿を消してしまう。1年後、迅が失踪するはるか前に彼の家族からも捜索願が出されていたことを知ったコリーは、迅の実家である岐阜へと向かう。そこで明かされた事実はコリーと迅の出逢いが宿命的だったことがわかり愕然とするコリー。一方、心臓疾患を抱えながら入院していた少女・瞳の病状が急変するが……。
あわせて2種類のメインビジュアルも公開。メインビジュアルAは、主人公のコリーが光が差し込む森の中の水辺で耳に手を逆さにあてている姿が写し出されている。メインビジュアルBには、コリーが心臓疾患を抱える子供の手を握る場面と、神の島と呼ばれる世界遺産・屋久島の原生林の神秘を捉えた場面が並んでいる。
■公開情報
『たしかにあった幻』
2026年2月6日(金)テアトル新宿ほかロードショー
出演:ヴィッキー・クリープス、寛一郎、尾野真千子、北村一輝、永瀬正敏、中野翠咲、中村旺士郎、土屋陽翔、吉年羽響、山村憲之介、亀田佳明、光祈、林泰文、中川龍太郎、岡本玲、松尾翠、早織、小島聖、平原テツ、利重剛、中嶋朋子
監督・脚本:河瀨直美
音楽:中野公揮
撮影:鈴木雅也、百々新
制作:CINÉFRANCE STUDIOS、組画
共同制作:カズモ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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