『孤独のグルメ』とは正反対? 『野原ひろし 昼メシの流儀』大ヒットの理由を分析

 さらに同作に関しては、ひろしとクセの強い脇役たちが繰り広げるやりとりも見逃せない。とくに視聴者たちのツッコミが殺到しているのは、後輩・川口をめぐるエピソードだ。

 川口はかなりの変わり者で、ありていに言えば図々しい性格。それを強烈に印象付けたのはアニメ第1話の後半で描かれた「マグロ丼の流儀」だった。

 ひろしは川口が新しい契約を取ってきたことのお祝いとして、昼ご飯を奢ることに。しかしお財布事情が厳しいため、ワンコインのマグロ丼がウリのお店に連れていき、出費を抑えようとする。しかし川口は平気な顔をしてマグロ丼の2倍の値段がする海鮮丼を注文し、追加で味噌汁をあら汁に変えたり、1人だけ食後のアイスを頼んだりとやりたい放題。ひろしはおもわず内心で「先輩に奢ってもらうのに、先輩より高いもん頼んだりするか!?」と怒りを爆発させるのだった。

 またアニメオリジナルキャラクターの四杉遥も、かなり強烈な個性の持ち主。並外れた自意識過剰で、些細なことから妄想が止まらなくなるという人物だ。

 第2話の後半「ハンバーガーの流儀」では、遥がハンバーガー店で働いているところにひろしが来店するのだが、ちょっとしたきっかけから自分が“狙われている”と勘違いしてしまう。ひろしが自分のシフトを把握してデートに誘い出し、告白しようとしているとか、マンションを契約して一緒に住もうとしているとか、その妄想はとどまることを知らない。

 こうした脇役たちの存在によって、同作はたんなる飯モノの枠を超え、予想外の展開が次々と繰り出されるコメディアニメになっている。その独特のパワーもまた、視聴者たちが盛り上がっている理由の1つではないだろうか。

 飯モノとコメディの融合によって、未曽有の熱気を生んでいる『野原ひろし 昼メシの流儀』。ぜひリアルタイムでこのブームを楽しんでほしい。

参照
※ https://x.com/nicoanime_PR/status/1980574928270422077

■放送情報
TVアニメ『野原ひろし 昼メシの流儀』
BS朝日にて、毎週金曜23:00~23:30放送
キャスト:森川智之(野原ひろし役)
原作:『野原ひろし 昼メシの流儀』(キャラクター原作:臼井儀人、漫画:塚原洋一/双葉社)
監督:西山司
シリーズ構成:森ハヤシ
脚本:森ハヤシ、モラル
キャラクターデザイン:山脇光太郎
音楽:多田彰文
オープニング主題歌:「ごはん食べヨ」Mega Shinnosuke(A-Sketch)
エンディング主題歌:「今日のごはんはなんだろな」 サバシスター(PONY CANYON)
制作:シンエイ動画
アニメーション制作:DLE
©︎臼井儀人・塚原洋一/「野原ひろし 昼メシの流儀」製作委員会
公式サイト:https://www.shinchan-app.jp/hiroshi-hirumeshi-anime/
公式X(旧Twitter):@Hiroshi_LunchTV
公式TikTok:@hiroshi_lunchtv

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