『ばけばけ』ヘブンの女中探しが難航 窮地に立つトキに託された“選択”とは?
11月4日放送の『ばけばけ』(NHK総合)第27話では、ヘブン(トミー・バストウ)の女中探しが描かれた。
ヘブンは、ウメ(野内まる)を眼医者に連れていかない花田(生瀬勝久)に怒りが爆発。花田旅館を出て一人で暮らすと宣言した。そこで、錦織(吉沢亮)が身の回りの世話をする女中を探すことになった。
料理、掃除、洗濯、その他家事全般がヘブンの求める条件。ただし、知事の江藤(佐野史郎)は言外の意味をほのめかす。「どっちもできる女中」は、家事だけでなく夜の相手もつとめることで、“ラシャメン”つまり異人の妾になることを意味する。そうなると、ハードルはぐっと上がる。
第一希望のウメに断られて、錦織が相談したのはなみ(さとうほなみ)だった。農家の長女で遊郭に売られたなみは、遊女の暮らしを抜け出すためにラシャメンになることを希望しており、ヘブンに近づくために努力する様子はこれまでの回で描かれてきた。
苦労してきただけあって、なみは料理もできて家事全般をこなせた。ヘブンも「美味しい」と言ってなみの料理をほめる。契約成立かと思われたが……。
史実では、小泉セツは、ラフカディオ・ハーン/小泉八雲の住み込み女中となり、その後結婚している。錦織はトキ(髙石あかり)にヘブンの女中になってほしいと頼みにきたので、トキとヘブンは同居するながれだろう。ヘブンが初対面のフミ(池脇千鶴)を「ママさん」と呼んだのは、その予兆だろうか。
松野家はすさまじく困窮しており、フミとトキはしじみの行商に歩くが、自分たちが食べるしじみはないというありさま。しじみが貧乏のバロメーターになっている。しかも、取って置いたしじみは、ザルごと錦織にひっくり返されてしまう。
錦織は少ない人脈をたどってトキに頼みにきたと思われる。家のことを考えるとトキは断れない状況。とはいえ、いきなりラシャメンになれと言われても困惑するだけだ。トキはヘブンの気難しさを目の当たりにしているだけに、ここは考えどころである。
トキの選択について、蛇(渡辺江里子)と蛙(木村美穂)がどんなリアクションをとるか楽しみだ。セツと八雲は、主人と女中から夫婦になり、のちにセツは八雲の創作にとって欠かせないパートナーになる。トキとヘブンが同居に至る経緯は、2人の関係の進展を考える上で重要なポイントになりそうだ。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK