花澤香菜がもし声優以外の道を歩んでいたら? 「どうなるかわからないけど、ワクワクする」

 北米の人気Webマンガを原作としたTVアニメ『Let’s Play クエストだらけのマイライフ』が放送中だ。同作は、男性との深い関わりを避けながら生きてきたゲームクリエイター志望の会社員サム・ヤングが、3人の男性と急接近し、心の殻を破っていくという“大人のラブストーリー”。

 主人公のサム役を演じるのは花澤香菜。今回はインタビューを通して、サムの魅力や作品の見どころ、そして花澤自身の人生など、幅広い話題を語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

花澤香菜の“創作への想い”

——本作には賑やかで個性的な男性キャラクターがたくさん出てきますが、サムは淡々としている大人の女性というイメージです。どうやって役作りをしましたか?

花澤香菜(以下、花澤):サムは内側に秘めているものがあって、考えていることもたくさんあるんだけど、それがあんまり表に出せないという……。だから感情が見えにくいのですが、話数が進むと内省的なところだけではなくて、思い切ったところとか、恋愛模様にわたわたしているところが出てきます。第1話ではすごく悩んでいるんですが、そこから脱していって、本来の生き生きとした部分が出てくるのではないかなと思います。最初の頃は、迷える子羊のようなイメージで演じていました。

——恋愛面でもちょっと鈍感ですね。

花澤:そうですね。奥手ですよね。

——冒頭では、杉田智和さん演じるリンクにアプローチを仕掛けられて、さらっとスルーしていました。あのシーンはどう演じましたか?

花澤:恋愛を少し避けていて、無意識に「自分は対象じゃないだろう」という思い込みがあったから、さらっとした対応になってしまったのではないでしょうか。リンクはずっとお友達だったので、そこから恋愛のスイッチを入れるのはサム的にも勇気のいることだと思います。そもそも“友達としての好き”で言ってくれているのか、そうではないのかが判断つかないし、この先もすごく揺れていくんですよね。

——序盤では同僚のルーシーをかばうシーンなどがありましたが、あれはサムの内に秘めたもの、熱くて真っ直ぐな思いが出たということでしょうか。

花澤:そうですね。自分のことについては迷いがあるし、わからないことだらけなのですが、仲間を守りたいという思いがありますし、ルーシーは本当に大事な同僚として彼女の良さも知っているから、誤解があってはいけないと。誰かを守るときには躊躇なく立ち向かえるのがカッコいいところだなと思いながら、第1話から演じていました。チャールズは試してくるというか、追い詰めるようなことを言ってくる人で、それはサムに対する愛情でもあるのですが、接していて緊張する上司ですよね。だから彼に意見するのはすごく労力を使うし、勇気もいるのですが、今回はルーシーを守りたいという気持ちで言葉にできた。これからもそういうシーンが出てくるのですが、最初のきっかけだったのかなと思います。

——サムの熱い想いはゲームへの熱意という形で表れますが、彼女のような創作への想いについてはどう感じますか?

花澤:私も音楽活動で歌詞を書いて世の中に出してはいるのですが、作品全体を作っているわけではないので、やっぱりサムのほうがはるかに大きなプレッシャーを受けているんだろうなと思います。「これを否定されたらもう私のゲーム制作者人生が終わってしまう」という熱量を持って作っている。私はその一部にしかなることができないので、すごいなと思います。

——サムにとっての大事な作品である『RUMINATE』のように、花澤さんにとって「時間をかけて作った大切なもの」はありますか?

花澤:……体力?(笑)。週2回は運動していて、10年くらい前からはピラティスもしています。武道館公演のために始めたのですが、その前から筋トレはずっとやっていました。声優の仕事は本当に体力が必要で、風邪をひくと使い物にならなくなるし……、体調が声に乗ってしまう繊細なところもあります。1つの作品の収録に5時間くらいかかるので、集中力を途切らせないために体力がすごく必要なんですよね。それに関しては培ってきたものがちゃんとあるかなと思います。

「パン作りゲーム」を作りたい

——花澤さんは、ゲームはプレイされるのですか?

花澤:ゲームは得意ではないので避けてしまっていますね。配信とかもあまり見たことがなく……。こういう題材の作品に出ているのに(笑)。小学生の頃に『ぷよぷよ』や『マリオカート』をやったりはしていたのですが、大人になってから真剣にゲームをやるタイミングがあんまりなくて。

——逆に花澤さんのような初心者でも楽しめるようなゲームを自分で作るとしたら、どんなものを作りたいですか?

花澤:私、パンが好きなんですよね。だからパン屋さんのゲームがあったら楽しいなと思いますね。シェフをまず選んで、メニューを考案して……。たまにライバル店の人たちがスパイでやってきて、「季節のパンはこういうのを出すのか」みたいな(笑)。あとは気温に小麦の高騰と、いろいろな環境の変化によっても変わってくると思うんですよね。それで配合とかを決めていきたい。

——かなりやり込み要素があるゲームになりそうですね……。「監修:花澤香菜」とクレジットされているパン作りゲームが出たら手に入れたいと思います。

花澤:私しかワクワクしなくない?(笑)

——ファンの方は購入しますよ。

花澤:購入しますかねぇ。

——そのゲームは何をしたらクリアなんですか?

花澤:お店が繁盛したらクリアなんじゃないですか(笑)。

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