二田絢乃、『風、薫る』で朝ドラ初出演 「揺らぎを丁寧に演じられたらと思います」
2026年度前期(東京制作)NHK連続テレビ小説『風、薫る』に二田絢乃が出演することが発表された。
朝ドラ第114作目となる本作は、医療看護の世界に新たな風を起こした大関和と鈴木雅の2人のトレインドナースをモチーフに描くバディドラマ。同じ看護婦養成所を卒業した2人が、患者や医師たちとの向き合い方に悩み、ぶつかり合いながら成長し、やがては“最強のバディ”になって、まだ見ぬ世界を切り拓いていく。
主人公・一ノ瀬りんを見上愛、“最強のバディ”となるもう1人の主人公・大家直美を上坂樹里が演じる。
脚本は、『あなたのことはそれほど』(TBS系)、『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)、『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系)の吉澤智子が担当する。
二田は、鹿鳴館の給仕である松山ふさを演じる。
二田絢乃(松山ふさ役)コメント
『風、薫る』出演への意気込み
初めてスタッフの皆さんとお会いしたとき、「おもしろいものをつくりたい」という熱意が強く伝わってきました。作品への深い愛情を感じ、“私もこの世界の一部になるんだ”と胸が熱くなりました。そんな場所に立てることが、とても幸せです。
松山ふさは、鹿鳴館で働く女性で、当時の規律や価値観の中でまっすぐに生きる人です。主人公たちの新しい考えに戸惑いやもどかしさを感じながらも、心の奥で何かが動いている――そんな揺らぎを丁寧に演じられたらと思います。
連続テレビ小説への出演
小さい頃から、家では毎朝のように朝ドラが流れていました。家族が支度をする音やトースターの音と一緒に、テーマ曲が聞こえてくるのが日課でした。母校が描かれた作品が放送されたときは、とても誇らしくて、家族や友人と盛り上がったのを今でもよく覚えています。大人になってから見る朝ドラでは、登場人物のまっすぐな言葉や思いに、どきっとしたり、涙が出てしまうことが増えました。年齢や経験を重ねるごとに、心に響く場面が変わっていく。
その懐の深さこそが、多くの人に長く愛されている理由だと思います。朝ドラは、ひとりの人生を描くだけでなく、その時代を生きた人々の息づかいや、社会の空気までも映し出してきた作品だと思います。そんな作品に関われることができ、とても嬉しく思います。
看護との接点・思い出
看護と直接関係があるわけではありませんが、介助の仕事に関わっています。知的障がいを持つ方の一人暮らしを支えるもので、ご飯を一緒に食べたり、遊んだりする自立支援です。日々の支援の中でお風呂に入れる機会があり、「人に触れることは“人生に触れること”に近い」と感じる瞬間があります。仕事を始めたばかりの頃、目の前の人の背中を洗っているときに、「ああ、私はこの人の生活に関わっているんだ」と、背筋が伸びる思いがしました。言葉を交わさなくても、何かが伝わる――そんな不思議な感覚を初めて味わいました。同時に、「私はこれまで誰かの背中を洗ったことがあっただろうか」とも思いました。家族でさえ経験のなかったことでした。
“触れる”という行為は、その人の生活をあずかること。医療や看護の現場では、きっとそれは“命をあずかること”に近いのだと思います。その重さを思うと、自然と頭が下がるような尊敬の気持ちでいっぱいになります。
今回の作品を通して、強い意志と覚悟を持って人に寄り添う方々の姿に触れられることを、とても楽しみにしています。
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、2026年春~放送
出演:見上愛、上坂樹里
作:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春 橋本万葉ほか
写真提供=NHK