奥山葵×大倉空人が語り合う役者として目指すべき場所 「今、楽しいのか」を大切に

 10月7日よりTBS系で放送がスタートした奥山葵主演のドラマストリーム『スクープのたまご』。大崎梢による同名小説を実写化した本作は、週刊誌の知られざる裏側を描いたお仕事奮闘ドラマ。ある日、主人公で入社2年目の信田日向子(奥山葵)が、最も関わりたくない週刊誌への異動を命じられるところからスタートし、芸能ネタや横領、そして不審死事件など、さまざまなスクープと向き合っていく物語だ。

 今回は、主人公・信田日向子役で主演を務める奥山と共に、日向子の後輩で、入社1年目のいつも何かを口にしている食いしん坊な阿久津健吾を演じる大倉空人(原因は自分にある。)に、クランクイン直後にインタビュー。

 作品の話はもちろん、思いがけない形で、奥山の『ハリー・ポッター』愛が炸裂した取材の模様をお届けする。(於ありさ)

がっつりと長くお芝居ができる楽しみ

(左から)奥山葵、大倉空人

――出演が決まったときの気持ちを教えてください。

奥山葵(以下、奥山):すごく嬉しかったです。こんなに大きな役をやるのは初めてのことなので、がっつりと長くお芝居ができるというのが楽しみで。ワクワクしました。

大倉空人(以下、大倉):僕は何か1つの事件を追う役をやってみたかったので、お話をいただいた時はすごく嬉しかったです。週刊誌の実情に少し詳しくなれたらなぁ、知れたらなぁと思います。

――奥山さんは“がっつりと長くお芝居ができる”ことを楽しみにしていらっしゃるとのことですが、大倉さんは出演作が続く中、そこの醍醐味をどのように感じていますか?

大倉:難しいな~。自分が学んできたことをしっかり試せる場は現場でしかないと思っています。そこで学ぶこともあると思いますし、そういう面ではどんな役だとしても、1つ1つ何かを絶対手に入れられることが成長における最大の糧だと思っています。

奥山葵

――これから撮影するにあたって、楽しみにされていることは?

奥山:楽しみにしていること……(取材時は)事件班全員が集結しての撮影をまだ行っていないので、それがすごく楽しみです。

大倉:明後日には叶いますね。

奥山:近々の楽しみです!

大倉:まだ、僕ら2人のシーンはポテチ食って……って感じですもんね。ここからどうなるやら。塩分過多で口内炎ができそうだなと思いましたもん。

奥山:たしかに、この作品の撮影中にいくつできるでしょうね。

大倉:僕は撮影の楽しみで言うと、赤ペン(瀧川)さんとか、(夙川)アトムさんのことを話しているセリフは撮影済みなのですが、ご本人たちとはSNS撮影やビジュアル撮影のときにしかお話しできていないので、ぜひ一緒にお話をして阿久津役の解像度を上げていきたいです。

奥山から見た日向子は「人と関わることに恐れがない」

(左から)奥山葵、大倉空人

――それぞれの役柄についても教えてください。

奥山:私が演じる日向子は、入社2年目に週刊誌の部署に異動してきたという役どころです。最初は週刊誌に対して良いイメージを持っていないのですが、スクープを追うなど仕事をしていく中で、自分自身の週刊誌との向き合い方、仕事との向き合い方を見つけていくというのが見どころになってくると思います。それから人と関わることに恐れがない。人を知ることに楽しみを見出している素敵な人間だなと感じています。

大倉:阿久津は入社1年目で、日向子とは後輩だけど事件班の同期という関係性です。そういうこともあって、日向子と一緒に喋ったり、日向子から相談を受けたり、作品の中では“バディ”みたいな立ち位置のキャラクターだと分析しています。それから、発言とかセリフを読んでいると、意外と仕事ができるタイプなんだろうなって感じることが多くあります。あとはすごくごはんが好き。普段からわりとごはんをたくさん食べる役なので、そのわんぱくさみたいなところも表現できたらいいなと思います。

大倉空人

――たしかに日向子にとっての阿久津は「同じ部署にいてよかった」と思えるようなバディのような存在ですよね。同期感を出すためにこだわっている部分はありますか?

奥山:話が進んでいくと、どんどんシリアスになっていく部分もあって。でも、阿久津といるときは、一瞬だけ気が抜けるような、良い空気感でやっていきたいなと思っています。

大倉:たしかに、日向子からの連絡や一緒に事件を追っているシーンは、阿久津もかなりリラックスしているなということは台本からも想像できるので。前半での阿久津と日向子の2人のシーンは、どのシーンよりも和む、休憩地点という気持ちで視聴者の方が観てくれたらいいなと思っています。

――今回演じるキャラクターとご自身とは、近いなと感じますか? 遠いと感じますか?

奥山:私は、普段の自分とは少し遠いかもしれません。結構内向的な人間なので、人と関わる役はエネルギーがあって素敵だなって思っています。

大倉:僕は、わりと共感できる点が多いですね。

――おふたりは自分と近しい役と遠い役、どっちをやるのが好きなのでしょう?

大倉空人

大倉:近い役ですね。それはキャラクターがというより、言葉遣いが近い方がありがたいなと感じています。先輩としゃべる時に「~ですよね」なのか「~っスよね」かで、セリフの言いづらさとか変わってきちゃうな、と。

奥山:私は遠いほうがいいかなあ。知らないことを知りたいんです。

大倉:素敵! それって、好奇心があるってことですもんね。

奥山:その言葉を思い出して、元気を出すことにします!(笑)

大倉:え、そんなに「好奇心がある」ってど真ん中の言葉でした?

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