『牙狼<GARO> TAIGA』は“初心者”も必見! 雨宮慶太監督の作家性が凝縮された“原点”作に
さて、劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』の気になる内容だがーー。大地の力を秘めた青龍(せいりゅう)、炎の力で邪気を焼き尽くす朱雀(すざく)、清き水を操る玄武(げんぶ)、風の力で人を鼓舞する白虎(びゃっこ)。この四体の聖獣の魂を宿した羅針盤がホラーによって奪われる。人界を邪気で埋め尽くしたい連中にとっては、人々を守護する聖獣の羅針盤などないほうが好都合なのだ。魔戒騎士に指令を送る組織“番犬所”から、奪われた羅針盤の奪回を命じられた大河は、魔戒導師の吹奇と組んでホラーと対峙する。敵の手中にある青龍や朱雀など四体の聖獣は無事に取り戻せるのか、また大河と関わりがありそうな白虎に秘められた、ドラマチックな過去とは。大河&吹奇とホラーの闘いという直線ルートだけでは終わらない、多くの要素を紡ぎながら複雑にドラマは揺れ続ける。
人間に擬態したホラーの正体をあぶり出すジッポライター状の魔導火や、黄金騎士と契約している人語を話す指輪ザルバなどユニークなガジェットの他、ホラーを斬るために携帯している魔戒剣の剣先で、頭上にシュッと弧を描くだけで瞬時にガロの鎧が装着されるスタイリッシュな召還エフェクトなどを含め、『牙狼〈GARO〉』シリーズの魅力は枚挙にいとまがない。神は細部に宿る……という言葉があるが、劇中に出てくる数々のイラストを含め、作品世界を彩るデザインワークスの多くも監督の雨宮慶太が手がけており、まさに細部まで雨宮の作家性が発揮されたヒーローが牙狼なのだ。
シリーズ第1作『牙狼〈GARO〉』が大好きなファンなら、ザルバと大河の絶妙なバディ感を堪能できるし(ザルバは代々、冴島家の黄金騎士とも契約することになる指輪なのだ)、熟練した黄金騎士になる前の若い大河がいかなる活躍を見せるのかも興味深いだろう。『牙狼〈GARO〉』シリーズは怪奇、妖艶、激しいバトルと見どころの多い作品だが、胸を打つヒューマンドラマとしての側面もある。劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』を最後まで観終えた人の心にも、きっと熱く、温かいものが残るはずだ。それがいかなるものかは観てのお楽しみ、ということで10月17日の公開をどうぞお楽しみに!
■公開情報
劇場版『牙狼<GARO> TAIGA』
10月17日(金)より新宿バルト9ほかにて劇場公開
出演 :北田祥一郎、神嶋里花、波岡一喜、ひょうろく、肥後克広、影山ヒロノブ、瀬戸利樹
原作・脚本・監督:雨宮慶太
エグゼクティヴ・プロデューサー:二宮清隆
プロデューサー:安養寺紗季
ラインプロデューサー:阿久根裕行
アクション監督:鈴村正樹
音楽プロデューサー:井上俊次
音楽:栗山善親、寺田志保
撮影:長野泰隆
照明:吉角荘介
録音:石寺健一
美術:遠藤剛
スタイリスト:黒田匡彦
ヘアメイク:山井優
特殊衣装製作:JAP工房
特殊造形統制:中田彰輝
特殊メイク:Amazing JIRO
キャスティング:山口正志
編集:長坂智樹
VFXスーパーバイザー:鹿角剛、中川茂之
フィニッシングエディター:岡本義典
カラリスト:田中諭
音響調整:浅川祥幸
サウンドデザイン:加藤博紀
スクリプター:栗原節子
助監督:松田康洋
制作担当:石橋陸
主題歌:JAM Project「TAIGA~守りし者よ風の如く~」
特別協力:サンセイアールアンドディ
配給:東映ビデオ
製作/制作:東北新社
©2025「TAIGA」雨宮慶太/東北新社
公式サイト:https://garo-project.jp/TAIGA/