2025年秋クールのアニメは、続編作品が軒並み注目を集める豪華ラインナップだ。シリーズ物の節目やクライマックスを迎える作品が多く、視聴者にとっては期待値の高いシーズンとなる。

　特に注目すべきは、『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』『キングダム 第6シリーズ』『ウマ娘 シンデレラグレイ 第2クール』『ワンパンマン 第3期』『不滅のあなたへ Season3』の6大ビッグタイトル。

『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』

　まず『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』。日本テレビ系で10月4日放送開始となる本作は、シリーズ第8期で最終章に突入する。原作は堀越耕平による全42巻・全430話の漫画で、2024年8月に完結したばかり。舞台は“個性”と呼ばれる超能力が日常的に存在する世界で、無個性だった少年・緑谷出久が伝説のヒーロー・オールマイトからワン・フォー・オールを継承し、雄英高校1年A組の仲間と共にヴィランと戦う成長譚だ。

　FINAL SEASONでは、ヒーロー社会全体を揺るがす全面戦争が勃発し、宿命のライバル・死柄木弔との決戦が物語の中心を占める。ワン・フォー・オールとオール・フォー・ワンの意志を背負った2人の戦いは善悪にとどまらない“信念”の激突として描かれ、「それぞれの正義」を視聴者に問いかけるシリーズ集大成にふさわしい名シーンの連続となりそう。

『キングダム 第6シリーズ』

　続いて『キングダム 第6シリーズ』。NHK総合にて10月4日放送開始で、作中屈指の激戦「黒羊丘の戦い」が描かれる。主人公・信は「五千人将」として、将軍になるために自身の戦い方や価値観を試される局面に直面する。注目は桓騎で、かつて大野盗団の親玉であり、残忍さと戦略眼を併せ持つ異端の将軍だ。冷徹かつ大胆な戦術は味方から「天才」と称される一方、正義観の異なる信とは衝突を生む。桓騎のカリスマ性や、決め台詞「心配すんな。全部上手くいく。」がファンをシビれさせるに違いない。

『ウマ娘 シンデレラグレイ 第2クール』

　『ウマ娘 シンデレラグレイ 第2クール』は10月5日からTBS系で放送。実在の競走馬を擬人化したウマ娘たちが活躍するシリーズ最新作で、第1クールでは主人公オグリキャップがカサマツトレセン学園へ入学。鮮烈なデビューを果たした後、中央のトレセン学園に転校し、タマモクロスらライバルたちとの激闘が描かれた。第2クールでは、1年目のジャパンカップでの戦いが予想され、海外から参戦するウマ娘たちも登場するなどスケールアップ。レースのスピード感も一層増していきそうだ。

『ワンパンマン 第3期』

　『ワンパンマン 第3期』も10月5日にテレビ東京系で放送開始。原作はONE・村田雄介のWebコミックで、紙・電子合計の原作コミックス発行部数は2025年8月時点で3400万部を突破。アニメ第1期（2015年）、第2期（2019年）に続く第3期では、ヒーロー協会と怪人協会の幹部たちによる激しい戦いが描かれる。ヒーローと怪人が対峙する“最強 VS 最恐 Ver.”キービジュアルや、JAM Project feat. BABYMETALによる主題歌「Get No Satisfied !」を使用したCMも公開中。放送初日には、第1期で登場した怪人ワクチンマン役の中尾隆聖ナレーションによる第3期放送開始記念特番「一撃でわかる!TVアニメ『ワンパンマン』第2期マジ振り返り!」も予定されており、過去作の総復習も可能だ。

『不滅のあなたへ Season3』

　10月4日にNHKで放送開始の『不滅のあなたへ Season3』は、主人公フシの永遠の旅を描く新時代ファンタジー。年内活動休止を発表したPerfumeが主題歌を担当する。PVではフシと新キャラクター・ミズハの印象的なシーンが描かれ、前世編の仲間たちとの再会や現世の仲間との学生生活も垣間見られる。高品質な作画とPerfumeの音楽が融合し、視覚と聴覚両面からの圧倒的な演出が楽しみなところだ。

『SPY×FAMILY Season3』

　そして2023年12月に公開された『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が、興行収入62.6億円、観客動員数464万人を突破する大ヒットとなったことも記憶に新しい『SPY×FAMILY』。『Season3』が10月4日よりテレ東系列ほかで放送。ロイド、ヨル、アーニャの秘密を抱えた家族が世界平和のために活躍するスパイコメディで、原作は遠藤達哉の漫画で累計3800万部を突破している。Season3のエンディング主題歌を担当する幾田りらとのコラボビジュアルも公開されており、約2年ぶりのテレビアニメ放送とあってファンの期待値はますます高まるばかりだ。

　続編が大豊作の秋アニメ。ファンは次々に解禁される物語の“ごちそう”を、どれから味わうか悩むことになりそうだ。