『スーパーマン』続編の新情報も 『スーパーガール』『クレイフェイス』などDC映画の今後

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!

 今回は、ジェームズ・ガン監督が突然公開日を発表し、ファンを狂喜させた『スーパーマン』の続編の話。本作を中心にこれからのDC映画の動きを探ります。

 日本時間の9月4日、ジェームズ・ガン監督が自身のSNS(X)で、映画『スーパーマン』の続編『Man of Tomorrow(原題)』が2027年7月9日北米公開と発表しました。これにより、今後のDC映画の北米公開スケジュールは以下のようになります。

2026年6月26日『Supergirl(原題)』(以下、『スーパーガール』/監督:クレイグ・ギレスピー)
2026年9月11日『Clayface(原題)』(以下、『クレイフェイス』/監督:ジェームズ・ワトキンス)
2027年7月9日『Man of Tomorrow(原題)』(以下、『マン・オブ・トゥモロー』/監督:ジェームズ・ガン)
2027年10月1日『The Batman Part II(原題)』(以下、『ザ・バットマン2』監督マット・リーヴス)

 つまり、この先4本のDC映画が公開されるのです。しかも2027年は同じ年にスーパーマンとバットマンの映画(しかもそれぞれが続編)が公開されるという画期的な年になります。ただし、この『ザ・バットマン2』は他の3本とは“違う世界観”の映画となります。

 『バットマン』以外の3本は、ジェームズ・ガン監督(とプロデューサーのピーター・サフラン)が指揮を執るDC映画世界=DCユニバース(DCU)に属する作品です。このDCUには、すでに配信されているアニメシリーズ『クリチャー・コマンドーズ』やドラマ『ピースメイカー』シーズン2も含まれます。

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』©︎2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & ©︎DC

 一方、マット・リーヴス監督×ロバート・パティンソン主演の『ザ・バットマン』シリーズ第2弾『ザ・バットマン2』は、DCUとは違う独自の世界観で展開されるDC映画です。DCは今後もこういう形でDCUの束縛を受けずにDC映画を作れる可能性を残したいとしており、“DCエルスワールズ”という別ラインも用意しました。つまり『ザ・バットマン』シリーズは“DCエルスワールズ”扱い。ここでちょっとややこしいのは、このシリーズは“バットバース”と呼ばれることもあります。なので『ザ・バットマン』に出ていたコリン・ファレル演じるキャラのスピンオフドラマシリーズ『THE PENGUIN ーザ・ペンギンー』は“バットバース”に紐づいたお話ということになります。

 『ザ・バットマン2』については製作が始まったそうですが、メインヴィランが誰かとかそういう情報がまだ入ってきていないので、続報を楽しみに待ちつつ、今回はDCUの『スーパーガール』『クレイフェイス』『マン・オブ・トゥモロー』について考察していきましょう。

『スーパーガール』:宇宙を舞台にした青春成長物?

『Supergirl(原題)』ティザービジュアル © & TM DC © 2025 WBEI

 『スーパーガール』はスーパーマンの従姉妹であるカーラが主人公です。スーパーガールは『スーパーマン』の最後に登場し、クリプトが実は彼女の愛玩犬だったことがわかります。スーパーマンに言わせると宇宙でパーティ三昧してきた遊び好きの子であることがわかります。おそらく映画『スーパーガール』は、彼女が地球で活躍するというよりは彼女の宇宙での旅を描いた作品になりそうです。というのは、もともと映画『スーパーガール』は、『Supergirl: Woman of Tomorrow』というタイトルで映画化されると報じられていました。同名のコミックは、彼女はクリプトとルーシー・メアリー・ノールというエイリアンの少女と銀河を旅する話なのです。その旅の中で彼女は自分が何者であるかを見つけていきます。おそらく映画もこういうジャーニーに焦点を当てていくのでしょう。

 そして本作で注目したいのは、あのジェイソン・モモアが“ロボ”というDCの中でも人気の、ワイルドかつバイオレントな宇宙の賞金稼ぎを演じることです。アクアマンを卒業したモモアですが、ある意味アクアマン以上にイメージがぴったりなロボ役。

『スーパーマン』© & TM DC © 2025 WBEI

 もちろん『スーパーマン』で多くのファンをつかんだクリプトも大活躍しそうです。スーパーガールことカーラ役を演じるのはミリー・オールコック。『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』でレイニラ・ターガリエン王女の少女時代を演じていました。

 余談ですが、2024年に東京コミコン関連イベントで、マーベル・シネマティック・ユニバースのバッキーことセバスチャン・スタンが来日したとき、彼が一番楽しみにしている映画はこの『スーパーガール』だと言っていました。というのも、この映画の監督を務めるクレイグ・ギレスピーは、マーゴット・ロビー出演の『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』を手がけており、セバスチャン・スタンはこの映画に出ています。彼はクレイグ・ギレスピーを高く評価しており、だから彼の作る『スーパーガール』は期待できるというわけです。

 『スーパーマン』のコピーは「LOOK UP!(見上げよう!)」でしたが『スーパーガール』は「LOOK OUT」。意味的には「外を見ろ!」と「気をつけろ!」という意味があります。外=「宇宙を見ろ」、そして「過激なスーパーガールに気をつけろ!」みたいなことでしょうか。

関連記事