中島歩は“ダークアクション”にピッタリ 『ベビわる』タッグとの相性を評論家が解説
2026年1月期のドラマ25『俺たちバッドバーバーズ』(テレ東系)で、中島歩と草川拓弥がW主演を務めることが発表された。監督は『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで知られる阪元裕吾。
中島歩×草川拓弥W主演 阪元裕吾脚本・監督『俺たちバッドバーバーズ』2026年1月より放送
中島歩と草川拓弥がW主演を務める連続ドラマ『俺たちバッドバーバーズ』が、2026年1月よりテレビ東京の「ドラマ25」枠で放送され…理容室と、裏社会のトラブルを力で解決する裏用師(リヨウシ)という二面性を活かした設定からは、阪元作品らしさを感じさせる。すでに『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(テレ東系)でタッグを組んでいる阪元と草川に合流する中島はどのような化学反応を引き起こすのか。ドラマ評論家の成馬零一氏は、『あんぱん』(NHK総合)など中島の近年の活躍を評しながらこう語る。
「はじめて中島歩さんを観たのは2014年の『花子とアン』(NHK総合)だったと記憶していますが、それから約10年経って面白いポジションを確立している役者だと思います。当時はまだ20代でしたが、正直もっと年齢は上だと思っていました。最近は若く見える外見の俳優が増えているなかで、中島さんは顔立ちが大人びていてカッコいい。上司役などを演じるとすごくハマりますし、最近では『海のはじまり』(フジテレビ系)や、まさに『あんぱん』などのようなポジションにいると、すごく安定感がある芝居をする俳優だと思います。『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)での“クズ男”役も『あんぱん』での“いい人”からのギャップあり、彼にしか演じられないキャラクターになっていると思います。これらの作品では脇役だからこその魅力を発揮していましたが、今回は主演ということで非常に楽しみです。背も高くていい意味で威圧感がある、映画映えするような不気味さがあるので、阪元監督が作るダークなアクションにもピッタリだと思います」
阪元の代表作といえば『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ。本作は国内映像シーンにおいてどんなインパクトを残したのか。成馬氏は物語を振り返ってこう続けた。
成馬零一の「2024年 年間ベストドラマTOP10」 『ベビわる』の現代性、宮藤官九郎の怪作
リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2024年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、ア…「『ベイビーわるきゅーれ』シリーズはアクション作品としても別格だったなと思います。現代日本を舞台にしたアクションとして頭一つ抜けた作品で、この作品がある種の時代の節目になった。おそらくこれからフォロワーがたくさん出てくるだろうなと。『近畿地方のある場所について』の白石晃士監督がJホラー以降のフェイクドキュメンタリー的ホラーの潮流を変えてしまったように、阪元監督はこれからのアクション映画の基準になっていくはずです」
さらに、『ベイビーわるきゅーれ』特有の現代性について、成馬氏はこう語る。
「もう1つの本作の魅力は、ちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤彩織)、殺し屋の女の子を描くことで、2020年代の日本に対して意外にも社会性を発揮していたことです。闇バイトや非正規雇用で生きる若者の感覚をしっかり描けていました。テレビシリーズの『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』もすごくよくできていて、阪元さんは映画の尺だけでなく連続放送の脚本も書けるのが強みだとあれで証明しました。アクションを押す比率という点で、映画シリーズとうまく差別化できていました。阪元監督にドラマでも活躍してほしいなと思っていたところに今回の発表があったので、非常に嬉しく思っています。最近はドラマ脚本家では『silent』(フジテレビ系)の生方美久さん、映画監督では『ナミビアの砂漠』の山中瑶子さんなど、新進気鋭の若手作家がどんどん台頭しています。彼女らがわりと理性的というか、落ち着いた雰囲気で旧時代のハラスメントや暴力性をアップデートするような作風で活躍している一方、阪元さんは現代的感覚を備えつつも、もっと荒々しいアクションでエンタメに振り切れる作家です。そういう感覚が、テレビ東京作品の自由さの中で発揮されることを期待しています」
さらに成馬氏は、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズへの愛のあるコメントとして、中島と草川の共演についても言及する。
「草川さんは『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』で殺し屋協会の1人・夏目敬を演じていました。彼の登場回はすごく面白い(笑)。一見、ちさととまひろの“知的なライバルキャラ”のような雰囲気かと思いきや、どんどんボロボロになっていく。殺し屋が当たり前に存在するという『ベビわる』の世界観は常識的に考えると荒唐無稽ですが、一方で殺し屋協会をプロジェクトマネージャーとして取り仕切る夏目は、すごく生々しくマネジメント業務に苦しんでいて、その緩急が絶妙でした。その彼が中島さんと組むということで、また男性同士のバディものという意味でも非常に楽しみです」
『ベイビーわるきゅーれ』で発揮された阪元裕吾×草川拓弥によるエンタメ性が、中島歩の参加によりさらなる広がりを見せることになりそうだ。
■放送情報
ドラマ25『俺たちバッドバーバーズ』
テレビ東京ほかにて、2026年1月スタート 毎週金曜24:42~25:13放送
BSテレ東にて、2026年1月スタート 毎週月曜24:00~24:30包装
U-NEXTにて、各話放送終了後から第1話〜最新話独占見放題配信
ネットもテレ東(テレ東HP、TVer、Lemino)にて見逃し配信
主演:中島歩、草川拓弥
脚本:阪元裕吾、オノ・マサユキ
監督:阪元裕吾、平波亘、泉原航一
アクション監督:Rio
プロデューサー:加瀬未奈(テレビ東京)、鈴木祐介(ライツキューブ)、角田陸(TOKYO CALLING)、大島康寛(東北新社)、中澤研太(東北新社)
製作著作:「俺たちバッドバーバーズ」製作委員会
制作:テレビ東京、ライツキューブ
制作協力:TOKYO CALLING、東北新社
©︎「俺たちバッドバーバーズ」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/badbarbers/
公式X(旧Twitter):@tx_badbarbers
公式Instagram:@tx_badbarbers
公式TikTok:@tx_badbarbers