綿谷新が帰ってきた! 新田真剣佑が“俳優としての原点”『ちはやふる』から歩んできた軌跡
『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)の第7話の次回予告にて、新田真剣佑の出演が発表された。現在、放送中の日曜劇場『19番目のカルテ』(TBS系)でも、外科医の東郷康二郎役としてレギュラー出演を果たしている新田。4年前に海外へ拠点を移してからは国内で観られなくなっていた彼の芝居を、今年はコンスタントに堪能できる年となっている。
新田といえば、これまでの映画『ちはやふる』シリーズで主人公・千早(広瀬すず)の幼なじみである綿谷“新”を演じたことをきっかけに、同キャラクターの名前にちなんで“新田”真剣佑という芸名に改名したことでも知られている。
そんな思い入れ深い『ちはやふる』の世界に彼が戻ってくるまでに、現実では7年の月日が経った。その間における多方面での活躍ぶりは周知の事実だろう。ただ、彼の俳優としての原点には、やはり『ちはやふる』の存在がある。
彼が演じた新は、『ちはやふる』のなかでも特別な立ち位置にいるキャラクターだ。千早が競技かるたを始めるきっかけとなった人物であり、彼女にとっては憧れを超えた同志とも言える存在でもある。しかし、新は永世名人である祖父を亡くしたことで、自身の夢だったかるたの名人を目指すための気力を失ってしまう。それでも、千早や太一(野村周平)が新しい仲間たちとともにかるた部を創設して奮闘する姿を見て、もう一度、ふたりと約束したかるたの道を志すことを決意する。
普段は福井弁での穏やかな話ぶりと落ち着いた声のトーンが印象的な新だが、新田が演じる彼の澄ました表情の裏側は、どこか静かな熱を帯びている。そして、競技かるたの試合になると温厚な雰囲気が一変し、自陣にある札も敵陣にある札も正確に射抜いていく。その顔つきが真剣になればなるほど、新田のまとう空気が“綿谷新”の色に染まっていくのがわかるようだった。
そして何よりも、新がかるたを取ることへの迷い、それでも約束を守りたい葛藤が映像を通して芯に伝わってくる。映画で新を演じるために、短期間ながら福井県でひとり暮らしを送っていたという役作りの徹底ぶりからも窺えるように、新田が賭けた情熱はそのまま『ちはやふる』の新として、純度を保ったまま受け継がれていた。