中沢元紀、初の刑事役は「嬉しさが二重」 俳優を志す“きっかけ”となった小栗旬への思いも
フジテレビ系水10ドラマ枠にて放送中のドラマ『最後の鑑定人』は、科学的アプローチを武器に難事件に挑むサイエンスミステリー。原作は岩井圭也の同名小説で、主演の藤木直人が“最後の鑑定人”と呼ばれる孤高の科学者・土門誠を演じている。
今作で中沢元紀が演じるのは、神奈川県警捜査一課の若手刑事・都丸勇人。刑事に憧れて警察官になった都丸は、個性豊かな鑑定人たちに振り回されながらも、真っすぐに事件と向き合う役どころだ。俳優として初めて刑事役に挑む中沢に撮影現場の空気や役作りへの思いを聞くとともに、俳優の道を意識するきっかけとなった小栗旬の存在、そして目指す俳優像についても話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
都丸との共通点は、“熱さ”と“向上心”
――刑事役は今回が初めてですが、これまでやってみたいという憧れはありましたか?
中沢元紀(以下、中沢):ありました。刑事役は一度は演じてみたいと思っていたので、このタイミングで演じることができてすごく嬉しいですし、職業ものの作品自体も今回が初めてなので、そういう意味でも嬉しさが二重にありました。
――本作では“科学捜査”という専門的な要素が物語の核にもなっています。都丸として現場に立ちながら、俳優としてはどんな発見や面白さを感じましたか?
中沢:やっぱり科学捜査の部分がすごく面白いなと思いました。科学に関する知識はほとんどなかったので、土門先生(藤木直人)が使う専門用語や、「こういうやり方で事件が解決していくんだ」と、想像つかない展開ばかりだったので、新鮮でした。複雑な捜査方法なども物語の中でわかりやすく描かれているので、専門的でも観やすい。そこがこの作品の面白さだと思います。
――今作で演じられている都丸は、どこかピュアな一面もある若手刑事として描かれています。実際に役と向き合うなかで、中沢さん自身が感じている都丸の魅力はどんなところですか?
中沢:都丸は若手刑事の役で、すごく熱い男です。事件に対してもすごく一生懸命だし、向上心もあって。でも、白石(麻衣)さん演じる高倉さんにハーブ水を渡されたときに「単純なタイプです」と言われるくらい、本当に素直でかわいらしい役だと思っています(笑)。
――個性豊かなキャラクターたちに囲まれながら、都丸のまっすぐさや若手らしい強さが作品の中で際立っていますよね。
中沢:みなさん本当に個性的なキャラクターばかりで、都丸が一見普通の人に見えるかもしれないですが、都丸も都丸で意外とキャラクターが立っているんです。若手刑事が少ない中で、都丸が土門先生をはじめ個性的な方たちに振り回されながら頑張っているので、視聴者のみなさんの目線に一番近いキャラクターにもなっているのかなと。周りのキャラクターが濃い分、都丸の普通さが際立つところもあると思うので、何か「やんなきゃ!」みたいな気負いはなく、自然体で臨んでいます。
――都丸は喜怒哀楽が表に出やすいタイプですが、ご自身と重ねてみて、感情表現について共感できる部分はありましたか?
中沢:どうでしょう(笑)。「(感情が)わかりやすいね」と言われたことはあまりないのですが、心の中では結構いろいろ動いてるタイプだと思います。それが顔に出ていないだけで。都丸は、100%表情に出るのが彼らしさだと思うので、感情はあまり包み隠さずに演じようと考えていました。あとはセリフでいうと、土門先生は専門的なことや難しい用語を使うことが多かったので、都丸自身“理解が追いついていない”感じがあるんですよね。そこもあまり作り込まず、自然な反応で演じるようにしていました。
――役作りの上で、都丸の一番共感できる部分、あるいはご自身と重なると感じるところはどこでしょうか?
中沢:熱さと向上心ですね。僕も好きなことに対しては全力で取り組むタイプですし、都丸もきっとそうだと思います。
――若手刑事というところで、俳優としてのキャリアと重なる部分もあったのかなと思います。
中沢:そうですね。一生懸命取り組む姿勢は都丸とも重なるところだと思いますし、若手だからこそ熱意を持って全力でぶつかることが大事だと感じています。現場でもスタッフさんやキャストのみなさんに積極的にコミュニケーションを取ったり、お芝居のことを相談したり、そういった姿勢は常に意識していました。
――撮影現場はどのような雰囲気なのでしょうか?
中沢:現場は本当に温かくて雰囲気が良いです。若手が少ない分、最初は緊張もありましたが、みなさん本当に温かい空気で迎えてくださって。みなさんのおかげで、すぐに現場に溶け込めたと思います。
――藤木直人さんや白石麻衣さんの印象は?
中沢:藤木さん演じる土門先生のセリフが長いので、最初は「今、話しかけて大丈夫かな」と遠慮してしまう場面もありましたが、藤木さんのほうから気さくに話しかけてくださったので、すごくありがたかったです。白石さんは現場を一気に明るくしてくれる雰囲気があって、誰に対しても丁寧で。本当に素敵な方だなと感じています。
――今回の現場で、役者として特に印象に残ったことや「学びになった」と思う瞬間はありましたか?
中沢:盗めるものは全部盗んでいきたいです(笑)。藤木さんの長ゼリフや説明の多いセリフを見ていると、土門先生と都丸にも似ている部分があるなと感じます。長いセリフでも観ている方が飽きないように、話し方や芝居のリズムをしっかり工夫されていて。その表情の切り替えはすごく勉強になりましたし、すごいなと感じました。白石さんが演じられている高倉さんは、目線がすごく印象的なんです。相手の行動をよく観察して分析する人物なのですが、モニターを見ていても「鋭いな」と感じますし、動揺しているときの眉の動きひとつ取っても、細やかな表現が本当に勉強になります。