『トリガー』での華麗なアクションに釘づけ キム・ナムギルが作品ごとに見せる多彩な表情
Netflixで配信中の韓国ドラマ『トリガー』で、出世に興味がない警察官イ・ドを演じるキム・ナムギル。心優しい穏やかな警察官だと思いきや、実は過酷な戦場で兵士として戦った経歴がある銃の達人を華麗に演じた。キム・ナムギルはいったいどんな俳優なのか? 今回は彼の魅力に迫りたい。
シリアスもコメディーも巧みに演じ分ける
キム・ナムギルがブレイクするきっかけとなったのは、2009年のドラマ『善徳女王』だろう。コ・ヒョンジョンが演じた主人公の敵役・ミシルの息子、ピダムを演じて注目された。自身の出生の秘密に苦しむ姿に共感した人は多いだろう。2010年には、日本のNHKと韓国のSBSが合作で製作したドラマ『赤と黒』で、キム・ナムギルの名前を日本中に知らしめたと言ってもいいかもしれない。
昨今、筆者が印象的だったのは、2023年の映画『非常宣言』で演じた副操縦士・ヒョンス役だ。バイオテロに襲われた飛行機内で、乗客を無事に着陸させるべく奮闘する姿をリアルに演じた。ほぼ操縦室内のみでの演技だったが、表情で緊迫感を上手く出していたキム・ナムギル。改めて高い演技力のある俳優だと感じた。
これまでキム・ナムギルは「ちょっと陰があるクールな役を演じたらピカイチ!」と感じてきた。しかし2019年の『熱血司祭』で演じたキム・ヘイル役で「こんなに弾けたコメディ作品も見事に演じてしまうのか!」と衝撃を受けた。悪事を目の当たりにすると黙ってはいられない主人公・ヘイルは、司祭とは思えない荒々しい手法で悪者を次々に成敗していく。
いわゆるスカッとするサイダー系の作品なのだが、キム・ナムギルのイメージだった「寡黙でクール」とは真逆の熱血漢な役なので、そのギャップに戸惑いながらもお茶目な姿に笑いが止まらない。彼の演技のふり幅の広さに感心した瞬間だったが、2024年の『熱血司祭2』でも、その姿は健在だ。
スタイリッシュなアクションシーンが魅力
キム・ナムギルの最大の魅力は、スタイリッシュなアクションシーンだろう。しつこいほど主張しておきたいのは、彼のアクションは迫力があるのは言うまでもなく、見た目が美しくスタイリッシュなのだ。
特筆すべきは、ガンアクションだ。日本統治時代の韓国を描いた『剣の詩』では、盗賊の頭・ユンを演じたのだが、馬に乗りながら銃をぶっ放すアクションシーンにくぎ付けになった。迫力あるシーンに仕上がっているだけでなく、キム・ナムギルの演技が非常にきめ細やかなのだ。例えば、ただ単に銃を持つのではなく、くるっと回転させながら発砲する小技を見せるなど、視聴者が「カッコいい!!」とキュンとなるポイントをよく分かっているのだ。
『剣の詩』『熱血司祭』は、演じた役のキャラクターが真逆であるものの、衣装が黒である共通点がある。スタイル抜群のキム・ナムギルが着ると実に見栄えがよく、黒のマントやコートを翻しながら長い足で回し蹴りをする姿が本当に美しく、惚れ惚れとする。
『トリガー』では警察官の制服を着ているので趣は違うものの、美しいことに変わりはない。銃を持って走る姿、銃の構え方、すべてにおいてシルエットがきれいなのだ。キム・ナムギルは、どのようにすれば自身を最も魅力的に見せられるか、よく理解しているのだろう。
『トリガー』でキム・ナムギルの魅力にハマった人は、この記事であげた他の作品を観てさらに彼の魅力にどっぷり浸ってほしい。
■配信情報
『トリガー』
Netflixにて配信中
出演:キム・ナムギル、キム・ヨングァン
監督:クォン・オスン、キム・ジェフン
脚本:クォン・オスン
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